カトリーヌ・ドヌーヴ
Emilie
まだ美しいが中年にさしかかった女性と、姉を慕って独身を守る弟を中心に、三つの世代の共存する家族の行く末を見つめる家庭ドラマ。監督・脚本は「深夜カフェのピエール」のアンドレ・テシネ。共同脚本は「ブロンテ姉妹」「ジャンヌ」などの脚本を手掛けたパスカル・ボニツェール。撮影は「深夜カフェのピエール」「レオン」のティエリー・アルボガスト。製作は「深夜カフェのピエール」「ピストルと少年」などのアラン・サルド、音楽は監督の実弟で彼とのコンビ作が多い「ヌーヴェルヴァーグ」などのフィリップ・サルド。編集はテシネ作品の常連マルティーヌ・ジオルダノ、美術はカルロス・コンティがそれぞれ担当。主演は「インドシナ」のカトリーヌ・ドヌーヴ。その弟役に「王妃マルゴ」の演技派ダニエル・オートゥイユ。またドヌーヴとマルチェロ・マストロヤンニの娘キアラ・マストロヤンニ がドヌーヴの娘役でデビューを飾っている、ほかにチャールズ・チャップリンの孫娘カルメン・チャップリン、「季節のはざまで」のイングリッド・カーフェンらが共演。
公証人のエミリー(カトリーヌ・ドヌーヴ)は同業者の夫(ジャン・ピエール・ブーヴィエ)と大学生の娘アンヌ(キアラ・マストロヤンニ)、養子のリュシアンと四人家族。弟アントワーヌ(ダニエル・オートゥイユ)は神経科医、独身で姉家族とも疎遠になりがちだ。二人の母(マルト・ヴィラロンガ)が脳卒中で倒れ、エミリーの家に引き取られるが、気丈なエミリーと上手くいかない。彼女は母と気が合うアントワーヌに助けを求めるが、喧嘩になってしまう。姉を密かに慕う彼は仲直りの印にクリスマスに姉一家を訪問。だが晩餐の最中に母が自分の遺産の話をはじめ、母の死など考えたくないアントワーヌが激怒、とめようとした義兄と大喧嘩になる。母は娘の家にいるのがきまずくなって一人暮らしを始めるが、すぐにまた倒れてしまい、養老院に入る。リュシアンは養子で人種も違うコンプレックから家になじめず、もののはずみでエミリーのアシスタントで娘同然でもあるアルジェリア系のカディジャ(カルメン・チャップリン)に暴行しようとし、家を飛びだす。いろいろな事件の連続で気まずくなった夫婦は別居、アントワーヌは姉と一緒に暮らすことにする。養老院で母がまた倒れ、死期も近いと知らされる。エミリーは実は母の病状を知っていたアントワーヌを許せず夫のいない自宅に戻り、追いかけて来たアントワーヌと激しく口論、そのまま喧嘩別れしてしまう。しばらくして、母がとうとう息を引き取った。バラバラになっていたエミリーの家族は葬儀のために再び集まる。葬儀の終わった午後、庭に並べたテーブルを囲んで食事をする家族は、お互いにどの季節が好きかを尋ね会う。老母の死を越えて、家族は新しい絆を見つけ出そうとしていた。
Emilie
Antoine
Berthe
Anne
Bruno
Khadija
Lucien
バーの女
監督、脚本
脚本
製作
撮影
音楽
美術
編集
録音
録音
字幕
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