磯部勉
大沢謙一
一度死刑を宣告されながらも、法律闘争によって出所した囚人と、獄中で共に生活した死刑囚たちの姿を描く。終戦後、暫くして、防衛庁に乗り込み数千万円の公金を強奪した、実在の元死刑囚K・Oの体験をもとにした原作の映画化で、脚本は「真田幸村の謀略」の中島貞夫、「原子力戦争 Lost Love」の鴨井達比古、「トラック野郎 熱風5000キロ」の中島信昭の共同執筆、監督も同作の中島貞夫、撮影は「動乱」の仲沢半次郎がそれぞれ担当。
昭和29年、大沢謙一は配下の三名を従え、防衛庁に乗り込み、佐藤経理係長を監禁し、六千五百万円の公金を強奪した。大沢は用意していたカービン銃で警備隊と応戦、佐藤を連れて脱出した。佐藤は公金横領で全国指名手配となった。その佐藤が、大沢たちの隙を見て交番に駈け込んでしまった。別行動を取る大沢たち。しかし、共犯者の寺田が出身地金沢で逮捕される。大沢は情婦中山みさ子を伴い、各地を逃亡、そして、出身地に近い大分県湯の平温泉で小学校の同級生に出会い、通報され、二人は逮捕される。その時、みさ子は妊娠していた。この時、迷宮入りとなっていた二年前の高利貸・野々村殺人事件に大沢が関係していることが浮かび上がった。補ったとき、15年ぐらいで出所できると思っていた大沢は、野々村の名が出て愕然となる。さらに、野々村を一緒に殺った山森が捕り、全てゲロしてしまった。大沢は西東京拘置所に送られ、死刑が確定した者にだけ与えられる末尾が〇の三二〇の囚人番号となった。拘置所に来て初めてみさ子に会った。子供は流産したが、大沢が出て来るまで待つと言う。その時、同じ房には、三鷹事件の竹内景助、酒屋一家殺しの黒木清、帝銀事件の平沢貞通、メッカ殺人事件の正田昭らが収監されていた。大沢はみさ子のためにも、死刑になってたまるかと思い、脱走するために、歯ブラシの柄で合鍵を作り始めた。大沢は地裁で死刑の判決を受けた。大沢は看守の同情の目を盗み、脱走計画を実行した。しかし、最後のところで看守が近づいてきた。強引に飛び出せば計画的逃走罪が加算され、死刑は確実、そこで、脱走する気はなかったと、自ら出て行った。暫くして、一度、脱走して捕った黒木が処刑された。大沢は法律闘争に賭けることにした。控訴趣意も、上申書も、証人尋問も全て自分でやった。高裁での大沢の判決は「原判決を破棄す 無期懲役に処す」であった。そして、十六年後、五十を少し越えた大沢は仮釈放され、出所するのだった。
大沢謙一
竹内景助
黒木清
平沢貞通
正田昭
関根
中山みさ子
北野孝子
黒木光枝
竹内良子
吉田刑事
平田刑事
大分の刑事
千葉の刑事
交番の警官A
交番の警官B
戸村所長
鍋島管理部長
今井保安課長
相田区長
高田
野田
源田
小林
営繕係の囚人A
営繕係の囚人B
雑役夫A
雑役夫B
地裁検事
高裁検事
高裁裁判長
地裁裁判長
岡
太った男
山森
山田一夫
金井厳
寺田行雄
佐藤係長
佐藤よし江
吉岡
野々村銀次
野々村伸江
達夫
老母
竹内幸恵
竹内景一
竹内美津子
竹内政夫
竹内真介
列車の老人
新聞記者A
新聞記者B
新聞記者C
新聞記者D
新聞記者E
筈見
看守A
看守B
受刑者A
中村警部
監督、脚本
脚本
脚本
原作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
企画
企画
スチール
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