八日目の蝉|MOVIE WALKER PRESS
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八日目の蝉

2011年4月29日公開,147分
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角田光代のベストセラー小説を映像化した深遠な人間ドラマ。主人公は、不倫相手の子供を誘拐し4年間育てた希和子と、彼女に育てられた過去を引きずったまま大人になった恵理菜。“母性”をテーマに、それぞれが抱える複雑な思いを、時に繊細に、時に力強く描出。変化を遂げていく女たちの姿に引き込まれ、最後まで目が離せない。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

幼少の頃、父の愛人だった女性・希和子に誘拐され、育てられた過去を持つ恵理菜。希和子の逮捕により、4歳の時に実の両親の元に戻った彼女だったが、誰にも心を開けないまま、大学生になっていた。そんなある日、自分が不倫相手の子を妊娠したことを知った恵理菜は、揺れ動く思いの中で、希和子と過ごした過去と向き合うように。

作品データ

映倫区分
G
製作年
2011年
製作国
日本
配給
松竹
上映時間
147分

[c]2011映画「八日目の蝉」製作委員会 [c]キネマ旬報社

  • rikoriko2255

    お水汲み当番

    3.0
    2020/8/12

    一人一人、大変なものを背負わされた人たちを丹念に描いた映画です。

    ただ、おそらくは原作者の分身であるはずのライター(小池栄子)のご都合主義が描かれていないのが、たぶん作品解釈の限界なんだろうなと思いました。
    だって、この作品は、一から十まで、このライターの都合によって作られた作品なのですから。

    主人公の女の子(井上真央)にとって、幸せとはなにか。
    それは、育ての親(つまり誘拐犯)のところに戻ることではないのかと、観る者は感じます。

    ところが映画では、主人公が育ての親の写真にめぐり合ってオシマイ、となっています。

    写真と出会った後にこそ、本物のドラマが待ち受けているはずなのに、どうして尻切れトンボで終わったのでしょうか。

    映画のなかでライターが告白しています。
    主人公に対して彼女がきわめて特殊な感情を抱いていることを。

    この感情に流されてしまって、ライター本人には、主人公の気持ちが読めなかったのでしょう。
    そして、語り手側のこの特殊な事情を、映画の制作側もまた見落としていたのでしょう。

    ライターは、小豆島での写真発見のシーンまでは、主人公を心理的に支配下に置こうとする行動をしています。

    しかし、この写真の発見をきっかけにして、主人公が育ての親を探し始めたなら、ライターはせっかく確立していた心理的支配権を放棄する方向に頭を切り替えざるを得ません。

    主人公の幸せを探すなら、それがライターにとって唯一の方法ですが、これはライターが自分自身を高度に客観視できていなければ出来ないし、書けない話です。

    だから、映画のシナリオライターも書けなかったのだろうし、もしくは気がつかないふりをしたのでしょう。

    ここにこそ、主人公・ライター・誘拐犯三者に重層的に奏でられる、最高のドラマの材料が詰まっているはずなのですが……。

    永作博美(誘拐犯)も井上真央も熱演で、佳作であっただけに、尻切れトンボ感が非常に残念でした。

    ※告知※ 今後、私のレビューは「映画コム」のほうに順次移行し、ムービーウォーカーに書いていたものは、移行終了後に削除することにしております。ご了承ください。

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  • rikoriko2255

    tom

    4.0
    2012/6/26

    誰に感情移入したらいいのか戸惑ってしまった。
    希和子と薫の関係がそのまま続けば・・・
    と思ってしまうけど
    それはやっぱ違うと思うし、
    恵理奈の複雑な気持ちを受け止めようにも
    それは重すぎて重すぎて到底無理だし・・・。
    純な気持ちの薫があまりにも可愛すぎて切なすぎです。
    母性の強さ大きさが凄すぎて
    男には重くのしかかりました。
    大好きな小豆島が舞台となり、
    知っている場所が映像に出ていることで
    より気持ちに響いてきました。

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  • rikoriko2255

    藤光

    5.0
    2011/10/14

    この十年の世界中の映画の中で、ベスト10に入るべき傑作。原作の物語自体が素晴らしいのは言うまでもない。昨年先行したテレビドラマの質も高かった。それをも踏まえた上での映画化で、結果的にまったく別の次元に到達した。
    球体のように美しい映画である。冒頭の裁判所のシーンから、最後の小豆島の港のシーンまで、無駄なカットは一コマも無い。そのすべてが美しく、印象に残る。映画を見終わり、外に出て、家に帰るまでの間に、もう一度すべてのシーンを思い出してみた。全部憶えていた。久しくなかったことだ。
    冒頭のフェード・イン&アウトと大写しの森口・永作、誘拐の日の雨、坂の上の不倫相手の家、赤ん坊の天使的な笑顔、豪雨の坂道を赤ん坊を抱えて駆け下りてくる永作、ホテルで泣き止まない赤ん坊に乳のでない乳房を思わず含ませる母性、逃避行の最中エンジェルホームの沢田久美との白日夢のような出会い、など書き出せばきりがない。エンジェルホームから山道を下りる時、母娘で見上げた星々や、小豆島の中山千枚田での虫おくりで、道なりに進んでいく火手の行列はその中でも特別な地位が与えられようが、そう書きながら、滝写真館の椅子や、写真館主田中泯の凛とした立ち姿、舞踏のような歩み寄りが甦るのを押さえることができない。
    物語は、恵理菜が、薫として生きた濃密な四年間を発見する話とも言えるが、見事な時間処理により、話は簡潔かつ雄弁に語られる。恵理菜が生まれて現在までの時間が、つまり彼女の時間の全体が、生まれる前の実母や父の永作とのエピソードも含めて、提示される。そして彼女の薫として生きた時は、写真館の暗室の水の中に現れてくる母娘の姿として、見出される。この「瞬間」をここまで正確に描きうるのは、同様に水と親和性のあるフィルム=映画だけだ。写真館を飛び出し港まで疾走する恵理菜=薫。港の道に倒れ込んだ恵理菜=薫はお腹の子供を産んで、愛することを誓う。そう、これは愛の映画であり、愛の再発見の映画である。この人間の根源的な感情が、この映画に出てくるすべての場所に、時と共に記録されている。
    演じ手の全員がこれ以上無い演技。これを奇跡と言わずして何と言う。

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  • rikoriko2255

    いろ

    3.0
    2011/6/1

    連続ドラマも観ず、初めて観ました。

    最後は泣きました。

    個人的な感想として…
    小池栄子、演技上手でした。
    井上真央、永作博美を観ていると…顔とかが同じように見え、本当の親子のように思いました。笑

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  • rikoriko2255

    yamaoka

    3.0
    2011/5/22

    小豆島がとても魅力的に描かれています。
    とくに、「虫送り」の映像は素晴らしかった。
    日本の夏の風景、残したい風景です。

    内容は、重いテーマです。
    愛情は善悪に左右されない。
    善くない愛情は許容されるのでしょうか。

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  • rikoriko2255

    McCOY

    3.0
    2011/5/17

    原作は未読です。

    NHKで放送されたドラマは観ていませんでした。
    不倫とか母性とかあまり得意なテーマではないので、映画も希和子を演じるのが永作博美さんでなかったら観なかったと思います(笑)。

    テレビ放送の同時期に民放のほうでやっていた松雪泰子さん主演のドラマは、虐待されていた女の子を誘拐し、自分の子として育てようとするものでした。私にそんなガッツはとてもありませんが、こちらのプロットは心情として非常に納得できます。しかし、不倫の末に相手の子供をさらってしまう、というのは正直理解できません。できないのですが、それを越えてつい肩入れしたくなってしまうのが芝居の力というものでしょう。

    過去と現在がけっこう短いスパンで切り替わりますが、混乱することもなく入りこんでいけました。そしてなんといっても小豆島の美しい情景。恵利菜の原体験はあそこなんですよね。島に帰りたかった気持を抑えこみ、一見クールな女の子を演じている井上真央さんもいい。女優さん、みんな素敵です。森口瑤子さんも好きな女優さんなんですが、なんでかああいうヒステリックな役が多い気がする……。

    そうそう、どなたかも書いてらっしゃいましたが、田中泯さん。「おいで」の口調が『メゾン・ド・ヒミコ』を彷彿とさせる田中泯さん。恵利菜のパパや不倫相手の岸田はダメ男の典型ですが、本作であの写真館主人は「男」じゃないですね。あれだけの存在感なのに、作品の空気に融けこんでらっしゃるのが素晴らしい。

    私には子供がいないんですけれど、「何があっても私が守る」という気持になれたら、お乳が出なかろうと母なんだよなあ、と思いました。憧れます。

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  • rikoriko2255

    ホルン

    5.0
    2011/5/12

    評判が良いので、突然観たくなって、平日の仕事帰りのレイトショで観てきました。
    幼少時の恵理菜(薫)役の渡邉このみちゃんが素晴らしく、涙が止まりませんでした。
    野々宮希和子役の永作博美さんも好演。
    エンゼルホームとかいうカルト宗教を持ち出すというのも、なかなか良く考えられていて関心しました。

    ただ、見終わった後で振り返ると、内容が少なかったような気がするので、原作を読んでみようと思います。
    野々宮希和子が、釈放後にどうなったのか気になりますね。

    5/25追記
    原作読み終えました。
    映画とは少しエンディングが違いますが、どちらも感動的です。
    是非映画館で観て、原作も読んで欲しい作品です。

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  • rikoriko2255

    じぇふりぃちゅうぶ

    4.0
    2011/5/10

    予告編を観た時から面白いな!と思って観たらその通りでした。5月になったばかりですが、今年これまで観た邦画のベストワンです。

    まず役者がベテラン揃いで自分のやるべきパートをシッカリと演じているし、無駄の無い脚本も良いと思う。映画ってやっぱり役者と脚本なんですね。

    また引きのショットや、俯瞰のショット等に映画らしい映画を観たと言う気持ちになった。観ていて上映時間の長さを気にしないでいられると言う良作。

    この監督の前作の「孤高のメス」では画面造りにテレビドラマのレベルから出る事が無い、映画らしい物を感じなかったが、今回は映画としてとても出来が良いと感心した。

    この映画の元ネタとなった誘拐事件を当時リアルタイムで報道で知った時にまず思ったのが「産みの母より育ての母」と言う言葉。それに「氏より育ち」と言う言葉も連想した。

    子供は親を選べない!子供がもっと美男美女に産んで欲しいと思っても、もっと頭が良い様に産んで欲しいと思っても、両親の組合せには子供は一切文句を言えない。それが現実。

    その子供が産みの母ではない、誘拐犯でしかない女を母親とし認識せざるを得ないと言う厳しい現実に直面した時に、果たしてこの主人公の様に自分の子供を愛せるか?と言うテーマは非常に重い。

    子供には理解出来ないでしょうが、映画らしい映画を観たい!と思っている大人の男女には、観て損は無いと言える。お勧めの映画です。

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    ネタバレあり
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  • rikoriko2255

    パライバ

    3.0
    2011/5/4

    予告編込みで2時間40分だから長い時間の映画ですが、丁寧に作られているのは好感度。

    希和子は男の身勝手な行動さえ無ければ、前向きに生きていく女性だったでしょう。
    恵理菜は一見希和子と同じ道をたどっているように見えますが、希和子とは違い、女の立場からすれば許しがたい男の存在でほんの少しでも心の鎧を外すことができたわけで、それだけ恵理菜の心の傷は深いのです。一条の光も差し込まない恵理菜の心の闇に見ている側もとらわれてしまいます。
    強引に恵理菜に接近してきた千草と交流することは千草を救い、ついには恵理菜にも救いをもたらします。
    もがくことさえ出来なかった恵理菜でしたが、ラストで生まれてくる子どもに見せたいと口にした言葉が、希和子が「薫ちゃん」に語ったものと同じであったことで全てが昇華されたのだと思いました。ここに至って冒頭からの緊張が解け、勝手に涙が流れてしまいました。

    役者さんは皆好演です。
    なかでも子役の渡邉このみちゃんがいじらしくてけなげで可愛いです。

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  • rikoriko2255

    ダージリン

    4.0
    2011/5/4

    過去を辿る旅の中で、皆が死んだ後に一人生き残る八日目の蝉は悲しいとした認識を、この世の美しきものをたとえ一日でも長く見ることが出来るならば、悲しくはないのではないかと改めていく。
    特殊な環境で育ち、みんなと違うことをネガティブに捉えてきた二人が、八日目の蝉に肯定的な意味を見出していく所は希望を感じさせてくれた。

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  • rikoriko2255

    barney

    4.0
    2011/4/20

    「優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした。」

    生後4ヶ月で父親の愛人に誘拐されて、4歳まで育てられた恵理菜。
    本当は怖いことなんだけど、やっぱ男ってやだよね~って。
    男の身勝手さから招いた出来事じゃんって!!
    だから本妻だってあんなに怖くなって...........、愛人もとんでもないことをしでかしちゃった。

    恵理菜は希和子に連れられ、一時はオウム!?みたいな施設に駆け込み、洗脳気味(;一_一)
    そういうところにいると、世界が狭くなってちょっとおかしくなるのもわかる気がする。
    そこで供に暮らした安藤千草(小池栄子)がのちに大きくなった恵理菜の前に現れるのだが......................。

    幼いころの記憶は覚えてないのか忘れようとしてるのか。
    2人はそれ正しく見つめる旅に出る。

    最後は明るい希望を見せてくれて、ちょっと涙しました。

    真央ちゃんは今回もいい演技してくれてました。
    でも彼氏が劇団ひとり!?っていうのがちょっと...............でしたけど(@_@;)
    彼はおいしい話が舞い込んできたと思ったでしょうね。
    真央ちゃんの背中が、男でもなく女でもなかった.............のが意外だった。
    そう思ったのは私だけ???

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  • rikoriko2255

    ミチさん

    5.0
    2011/4/15

    とにかく女性の凄さが分かる。男性は影が薄い。
    永作博美は、凄い役者だ。もっともっと日本映画を牽引して欲しい。最後、子供と記念写真を撮るのだが、間もなく引き裂かれる予感と戦いながら、むりやり笑おうとする。この場面だけでも一見の価値あり。
    ストーリイ的には、現代と過去が入り組み、少し分かりにくい。しかし、結果は最初に観客に提示されるので、物語が悲劇の結末に向かっていることは、最初から分かる。その通奏低音が辛い。
    テクニック的には、やや古典的、オーソドックスか。
    記念写真が現像液から浮かび上がってくるところとか、何気ない写真が新聞に出ることで主人公が追い詰められるところとか、どこかで見たことありません?
    井上真央は、まだ発展途上と見た。私の女優評は、この役を他の女優がやったらどうなるか考えるところから始まる。確かに辛い運命を背負った女性というのは難しいが、もう少し愛想が欲しかった。脇の小池栄子はまずまずか。一途な感じが良く出ている。彼女の物語も聞きたかった。

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