渡瀬恒彦
仁科草介
5千キロの金塊を積んだ爆撃機が終戦と同時に消え、36年後に一人の男の出世の秘密とともにあばかれてゆく謀略の数々を描く。原作は「黄金の犬」に続いて4作目の映画化作品になる西村寿行の同名小説。脚本は「ヨコハマBJブルース」の丸山昇一、監督は「皮ジャン反抗族」の長谷部安春、撮影は「女高生偽日記」の森勝がそれぞれ担当。
警視庁捜査一課の部長刑事・仁科草介は深夜、マンションの自室に帰って来て突然、二人連れの男に襲われた。意識が回復した時は、目の前に彼の拳銃で撃たれた男の死体が転がっており、彼は罠にかけられたのだった。独力で事件を解決しようと部屋を後にした。新聞に被害者は米人貿易商で「現職刑事の犯行か謎を残して失踪」と載っていた。仁科の友人であり、新聞記者の蜂島は彼の無実を信じ協力することを誓った。彼と別れた直後、仁科は千沙に声をかけられ、彼女の電話番号を教えられた。仁科は山沢という男から大物政治家・中臣晴義の長男で、元警視庁のエリート、現在は日本各地の山岳地帯を踏査している中臣克明の尾行を5千万円の報酬で依頼を受けた。山沢は仁科を罠に陥れこの仕事をさせるのだと語った。仁科はすべての謎の究明につながると四国・祖谷渓谷へ向った。金属探知機を使っている克明たちを監視していた仁科は、逆に警察へ所在を通報され、危機一髪のところで四国を脱出することができた。峰島から新しい情報が入った。殺された貿易商は来日するたびに、日本ウラニウム鉱社社長の平井剛一と会っていた、というものだった。平井と中臣晴義とは第二次大戦当時、上官と部下の関係であり、平井は山沢たちのボスでもあった。克明たちは日本アルプスの駒ケ岳に入った。仁科も彼らを追って駒ケ岳に行き凄絶な死闘の未、ロープウェイのゴンドラに乗り込んだが、ゴンドラは宙ずりのまま停止してしまう。警察の緊急配備に、仁科は、自分が追いつめられたことを知り、非常脱出装置を使って原生林へ逃げ込んだ。峰島は戦時中、陸軍情報部大尉だった平井剛一が敗戦直前に厚木基地を飛びたったまま消息を絶った爆撃機の行方を探していることを知った。平井をはじめ陸軍情報部中佐・中臣晴義と元厚木基地作戦部付将校・坂本英夫の3人は爆撃機とそのパイロットを現在に至るまで執拗に探していたのだった。その爆撃機には5千キロの金塊が搭載してあり、政府は終戦の和解工作に使おうとしていたのだ。そして克明から仁科の出生の秘密を聞かされる。爆撃機・連山の搭乗員たちはオホーツクに不時着した際、仁科の生家で一夜を過ごしたこと、そして金塊の処分法をそこで話したであろうこと、それらを仁科が親から聞いているのではないか、というものだった。仁科はなぜ罠にはめられたのか分って来た。克明と千沙とは兄妹であり、仁科の父親は晴義であると教えられた。金塊は旭岳にあるのではないかと、彼らは雪の北海道へ向かう。そこでは激い銃撃戦が行なわれ、晴義の体に巻き付けたダイナマイトですべてが埋もれてしまう。胸を撃たれた仁科が黙々と山を降りてゆく姿があった。
仁科草介
雪江千沙
峰島悟
山沢雪彦
中臣克明
中臣晴義
平井剛一
坂本英夫
松本安男
野川敬造
ホステス
立花育子
片山記者
浅井カメラマン
藤沢記者
荒井記者
清水記者
高桑秘書
山崎警官
岩下警官
吉宗和也
田山恵子
監督
脚本
原作
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
プロデューサー
プロデューサー
スチール
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