大島明美
鹿村由起子
白血病と戦いながら十三歳でこの世を去っていく少女と、彼女を見まもる家族や学友の姿を描く。鹿村由起子の同名の原作の映画化で、脚本・監督は「裸の大将放浪記」の山田典吾、撮影は「ひめゆりの塔(1982)」の原一民がそれぞれ担当。
中学一年生、十三歳の鹿村由起子の家庭は父の光俊、母のノリ子、弟の知道の平凡だが幸福な四人家族だ。親友の由美、光子、朱実にかこまれ、楽しい学校生活を送る由起子は、三年生の乙彦に思いを寄せている。日曜日、由起子の家族は、由美の家族と一緒に、多摩地区のファミリーマラソン大会に参加したが、両家族とも、スタミナ切れで途中でリタイアしてしまった。イラストの得意な由起子はマンガ家になるのが夢で、児童SF「モモと時間泥棒」が大好きで、何度も読みかえしている。由起子と仲間たちは、乙彦の関心をひこうと、柄の入ったパンティーを買いに行くが、お金が足りない。そこで、ラーメン五杯食べたら賞金が出るという店に挑戦に行き、見事に五杯のラーメンをたいらげてしまう。明るく、食欲旺盛だった由起子は、食欲がなくなり、疲れやすくなってきた。心配した母のノリ子は由起子を病院に行かした。由起子のカルテは町の病院から大病院に回され、両親が呼び出されて白血病だと知らされる。由起子は入院することになり、体力は日毎に弱り、病原菌に対する抵抗力がないために、隔離され、外部との接触はガラス越しに行なわれるようになった。光俊はいつも元気な由起子が進んで棄権を言いだした、マラソン大会の日のことを思い出した。由起子の体はあの日から既に弱っていたのだ。ノリ子は由起子の病状を早く発見出来なかった自分を責めた。由起子と家族や学友は大学ノートを通じて思いを交換した。病院の努力もむなしく、由起子の容体は日毎に悪化、最後の自由を満喫するために、暫くの間、退院することになった。由美たち仲間を家に呼んで食事をしたり、乙彦と会ったりもした。再び由起子は病院に戻る。しかし、医師たちの介抱のかいもなく、由起子は二度と再び目覚めることのない眠りについた。
鹿村由起子
鹿村光俊
鹿村ノリ子
鹿村知道
武村乙彦
馬場行雄
千野仙二
飯田茂男
石橋由美
大町光子
嘉藤朱実
佐藤興一
佐藤義元
土屋裕
草刈章
伊川医師
藤崎先生
山本教頭
渡辺茂雄
篠崎昌子
婦長
ラーメン大学店主
ラーメン大学客
大沢の母
監督、脚本、製作
原作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
企画、プロデューサー
スチール
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