ロビン・マクドゥーガル
Tyltyl
この「青い鳥」一篇を通じてモーリス・マーテルリンク氏は2人の小児が青い鳥によって象徴される「幸福」を求めるため、空しき歓楽の宮殿や永久の春、あるいは暗い夜の圓天井を通って永い旅を続けるが、ついに目的を達せられず、チルチルとミチルの2人は自分のいぶせき住家に帰り、初めて幸福の輝きを見たという筋である。幸福を求めるために努力することは却ってこれを得がたきものとする。善を成してその分満足すること即幸福を得る道である。モーリス・トゥールヌール氏の監督振りは真に偉大な芸術味のある映画面を見せている。これも本映画の見逃すことのできない特徴であろう。四月下旬帝劇にて公開される日を期待する。
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