東京裁判
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東京裁判

1983年6月4日公開、277分、ドキュメンタリー/社会派
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戦後日本の進路を運命づけた極東国際軍事裁判(東京裁判)を描いた記録映画。このフィルムは、アメリカの国防総省(ペンタゴン)が、第二次世界大戦の記録として撮影・収録し秘蔵していたもの。原案は稲垣俊、脚本は小林正樹と小笠原清の共同執筆。監督は「燃える秋」の小林正樹がそれぞれ担当。2019年8月3日より4Kデジタルリマスター版が公開(配給:太秦)。

ストーリー

昭和23年1月22日。ポツダム宣言にもとづいて、連合軍最高司令官マッカーサー元帥が、極東国際軍事裁判所条例を発布し、戦争そのものに責任のある主要戦犯を審理することにした。満州事変から中国事変、太平洋戦争におよぶ17年8ヵ月間、日本を支配した指導者百名以上の戦犯容疑者の中から、28名が被告に指定され、法廷は市ヶ谷の旧陸軍省参謀本部、現在の自衛隊市ヶ谷駐屯地に用意された。裁判官及び検事は、降伏文書に署名した9ヵ国と、インド、フィリピンの計11ヵ国代表で構成され、裁判長にはオーストラリア連邦代表、ウイリアム・F・ウェッブ卿が、主席検察官にはアメリカ合衆国代表、ジョセフ・B・キーナン氏が選ばれた。一方弁護団は28人に対する主任弁護人が全部そろわず、キーナン検事団とはあまりにも格差がありすぎた。5月3日。開廷した裁判所では、まず起訴状の朗読が行われ、第一類・平和に対する罪、第二類・殺人、第三類・通例の戦争犯罪および人道に対する罪--に大別され、五十五項目におよぶ罪状が挙げられた。この裁判の一つの特徴は、戦争の計画や開始そのものの責任を問う「平和に対する罪」を設定したことである。弁護側は、戦争は国家の行為であり、個人責任は問えないと異議の申し立てを行ったが、個人を罰しなければ国際犯罪が実効的に阻止できないとの理由で、裁判所はこれを却下した。こうして23年4月16日まで、実に416回の公判が行われ、11月12日、判決がいいわたされるまで、2年6ヵ月の歳月と27億の巨費が費やされたのである。28名の被告のうち、大川周明は発狂入院して免訴となり、元外相松岡洋右と、元帥海軍大将永野修身は公判中死亡した。残る25名のうち、土肥原賢二大将、坂垣征四郎大将、木村兵太郎大将、松井石根大将、東条英樹大将、武藤章中将、広田弘毅元首相の7人が絞首刑を宣告され、他の被告は終身刑または有期刑であった。判決については、インド、オーストラリア、フランス、オランダ、フィリピンの5判事が少数意見を提出して、異議を記録にとどめた。なかでもインドの判事パルは、裁判の違法性と非合理性を指摘して全員無罪を主張した。処刑は昭和23年12月23日未明、巣鴨拘置所で実施された。終身刑および有期刑を宣告された被告のうち、梅津美治郎陸軍大将、小磯国昭陸軍大将、白鳥敏夫元駐伊大使、東郷茂徳元外相4人は、服役中病死し、残りの被告は、講和条約調印後に仮釈放された。そして、昭和23年4月7日、東京裁判に参加した11ヵ国政府は戦犯者の刑の免除を発表し、東京裁判は名実ともに解消された。

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2019/7/18(木)更新

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作品データ

製作年
1983年
製作国
日本
配給
東宝東和
初公開日
1983年6月4日
上映時間
277分
製作会社
講談社
ジャンル
ドキュメンタリー社会派


[c]キネマ旬報社