赤坂麗
石間佳代子
男子生徒のギラギラした欲望の視線を浴びながら、結婚を夢見る三流私立高校の女教師の姿を描く。脚本は「美加マドカ 指を濡らす女」の斉藤博、監督は「蘭の肉体」の西村昭五郎、撮影は「ヴァージンなんか怖くない」の山崎善弘がそれぞれ担当。
三流私立男子高の女教師、石間佳代子は毎日、数百名の男子生徒の欲望の視線にさらされている。少年とて、むせるような男の臭いに、生身の女の体は意志に反して反応してしまい、彼女はその熱い体を、同僚の国語教師、正岡にあずけた。しかし、正岡にとって佳代子とのセックスは肉欲だけのものであり、彼には由美という恋人かいた。それでも佳代子は、“先生とやりたいよ”などのいたずら電話や手紙に悩まされており正岡に身をまかさないではいられないのだった。佳代子は休暇を取り、学生時代の友だち、しず子を訪ねた。しず子は佳代子のかつて恋人たった邦男と結婚しており、二人は小さな旅館を営んでいる。邦夫も昔は教師だったが、校内暴力に悩み、生徒を刺して辞職した過去がある。しかし、佳代子の寂しさは、夜の二人の営みの声にまぎれることはなかった。翌日、邦夫は佳代子を車で駅まで送り、途中、二人はモーテルに入った。しず子は、佳代子の孤独を知り、邦夫に彼女をなぐさめるように頼んだのだ。佳代子は一時的な逃避に過ぎないと知りつつも、邦夫とのセックスを楽しんだ。しかし、東京に帰ると、正岡と由美の夫婦のような生活を見せつけられ、再び孤独感に包まれる。そして、訪ねて来た三人の生徒を部屋に入れてしまい、佳代子は輪姦されてしまう。佳代子が自殺しようとすると、邦夫がやって来て、なんとか思いとどまった。だが、数日後、由美が入籍したことを知らされる。ある早朝の体育館、佳代子の上におおいかぶさった生徒が果てていく。「結婚できるのかな、君たちと」。グランドを歩く佳代子の顔から涙が消え微笑が浮かんでいた……。
監督
脚本
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
企画
プロデューサー
スチール
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