烏丸せつこ
マミ
ドサ回りのストリッパーと知的障害の少年の心の交流を描く。若一光司原作の「海に夜を重ねて」の映画化で、脚本は「火宅の人」の神波史男、監督は「ボクの女に手を出すな」の中原俊、撮影は「ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎行進曲」の森勝がそれぞれ担当。
三十歳にもうすぐ手の届くマミは、マネージャーもつけずに一人、旅廻りをしているストリッパーだ。大阪の劇場で彼女は下働きをしている少年、民夫と出逢う。彼は少し知恵が足りないため、劇場の人々から軽く扱われ時には殴られたりしていた。マミは親がわりの長野にも見捨てられた民夫に、一緒に旅に出ようと誘う。徳島の劇場で、マミは狙さん格の晴美と再会する。晴美は歳下の新しいマネージャー、明と一緒だった。博多の劇場で、たちの悪い踊子のファンシー美希が、民夫を部屋に連れ込んだあげく、マミに対し民夫が太腿を噛んだと因縁をつけてきた。マミが慰謝料を払って落着したが、民夫は深く傷つき自分だけの世界に閉じ込もることが多くなった。毎日部屋で思い出の小石を並べ続けている彼にマミは苛ちを覚えはじめた。関東の劇場に移ったマミは、民夫の将来を考え、スナックのママ、美子に民夫の仕事口を紹介してもらう。その夜、マミは昔の恋人のカメラマン、津島と一夜を共にした。翌朝、雨の中で民夫がマミを待ち受けており、「どこにも行かないでこれをあげるから」と小石を差し出した。思わず民夫を抱きしめるマミ。海辺の温泉街にマミと晴美は巡業に来ていた。民夫は劇場の支配人、河井の娘で小学生の京子と仲良くなった。民夫は相変わらず石並べを続けている。それは父親と子供の頃に行った須磨の海の想い出がこもっているようだ。ある日、客の態度に頭に来ていたマミは、石並べをしている民夫にイラつき、石を隠してしまう。田んぼに捨てたというマミの言葉に、民夫は石を探しに行く。泥だらけになった彼は、「マミさんの嘘つき」と舞台にあがり、マミの首を絞めるが明に止められ失踪した。ひとりになったマミは、初めて民夫が愛の対象であったことに気付く。京子から海の方へ民夫が向かったというのを聞いて、マミは車で海に向かった。そして、海を眺めている民夫を一見つけて抱きあうのだった。
マミ
民夫
晴美
ファンシー美希
ララ
ローザ
美子
明
津島
河井支配人
シルビアのマネージャー
京子
劇場の客
長野
賄いのおばさん
久枝
監督
脚本
原作
製作
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
スチール
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