樋口可南子
キム
日本人女性と黒人男性の激しい愛を描く。山田詠美原作の同名小説の映画化で、脚本は「さらば箱舟」の岸田理生、監督は「離婚しない女」の神代辰巳、撮影は「化身(1986)」の川上皓市がそれぞれ担当。
クラブ歌手のキムは黒人のスプーンと出逢った。翌日、彼女は「私、クロと寝たのよ」と告げ、市来の部屋を出て行った。市来はキムが唄っている基地のクラブのバンド仲間で、一年間同棲していたのだ。キムは10年前、この横須賀の町で自分を拾ってくれたマリア姉さんを訪ねた。マリアは黒人としか寝ない女だった。数日後、外国人相手のスーパーでスプーンと再会したキムは、モーテルで再び熱い瞬間を過ごした。だが、二人の乗ったスプーンの自転車が衝突事故を起こし、スプーンの消息はわからなくなった。キムは新しく借りた部屋で、スプーンの猫オズボーンと彼を待った。スプーンは脱走兵となってキムの前に現われた。二人の熱病のような熱い日々が始まった。ある日、脱走中だというウィスパーが、「スプーンとは薬を売っている仲間だが入れる筈の金を持って来ない」と告げに来る。キムは入れ替わりに帰って来たスプーンに、「薬の売人なんて危険なことはやめて」と懇願する。カッとなってキムを欧りつけたスプーンは、「もう終わりだな」とつぶやいて出て行った。その夜、キムはクラブで唄えなくなってしまう。そして、心配した市来の優しい言葉に誘われてベッドを共にする。だが、もう市来の愛撫に酔うことはできなかった。部屋に戻るとスプーンがおり、抱き合う二人。肉体で始まった愛は精神の愛へと到達していくが、蜜月のような日々は長くは続かなかった。キムはマリアとベッドを共にしているスプーンの姿を発見する。しかし、キムはスプーンと離れることはできない。二人の日々はスパイ容疑でのスプーンの逮捕という形で終わった。
キム
スプーン
マリア姉さん
市来櫂
大黒
柳(華僑)
年老いた漁師
ウィスパー
ファッツ
漁師の女
宮下
運送屋
警視庁外事課A
警視庁外事課B
酔っ払い
花売り
チムニー
チキート
監督
脚本
原作
製作
製作
撮影
音楽
音楽監督
美術
編集
照明
録音
録音
助監督
企画
プロデューサー
スチール
スチール
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