岸加奈子
土屋名美
緊縛プレイに目覚めた男と女の姿を描く。原作は「ラストワルツ」「果てるまで」で、原作者の石井隆が自ら脚本化。監督は「偏差値 H倶楽部」のすずきじゅんいち、撮影は水野尾信正がそれぞれ担当。
サラリーマンの野中陽介は人影もまばらな終電間際の車両の中にいた。居眠りから目を覚まし、立っている一人の若い女性に見とれていたが、電車が揺れ、支柱をつかんだ女の手首には縄目の跡がくっきりと残っていた。陽介には結婚二年目になる妻の久子がいるが、あの女に会ってから彼がこれまで抑えてきた欲望が目覚めてしまった。陽介はベッドに横たわる久子を襲い強引に、荷づくり用の赤いビニールひもで縛り始めた。胸に局部に縄がくい込んでいく。陽介は「これも前戯だ」というが、久子の顔は恐怖で引きつっている。それ以来、久子は陽介のSM趣味をいやがり、夫婦の仲は急速に冷めていった。陽介は一度だけ電車の中で会った女を探し求める。久子はなんとか努力して陽介の要求を受け入れようとするが、どうしても我慢できずに実家へ帰ってしまう。ある夜、陽介は駅でその女を見つけた。彼女はOLらしく自転車で帰宅途中スーパーマーケットで買物をしたが、出ると外は雨だった。傘を差し出す陽介だが、女は不審がって逃げてしまう。執拗に追いかける陽介はついに彼女のアパートをつきとめた。表札には「土屋名美」とある。翌晩、再び陽介はアパートを訪れたが名美は留守のようで、彼は名刺の裏にデートの約束を書き、ドアのすき間に差し込んでその場を去った。残業で遅れてしまった陽介がかけつけると名美は待っていてくれたが、彼女はまだ陽介を受け入れてはくれず「これ以上つきまとわないで」という。翌日、半ば締めかけていた陽介の元へ名美のほうから電話があった。ラブホテルで会う名髪と陽介。バッグから赤い縄やロウソクなどの道具を取り出した陽介は名美を責め始める。初めのうち抵抗していたが、やがて陽介に従うようになった。それから一週間、陽介の自宅でSMプレイに溺れる二人。ある日、久子が戻って来たが取りみだして名美を包丁で刺そうとするが、間に入った陽介の太腿を刺してしまう。家を出た陽介と名美は森の中で暮らしながら、お互いが果てるまで今の生活を続けるつもりだった。
土屋名美
野中陽介
野中久子
アキナちゃん
太田(陽介の上司)
名美と間違えられる女
正体不明の男A
正体不明の男B
正体不明の男C
電車の酔っ払い
陽介のオフィスの会社員
監督
脚本、原作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
企画
プロデューサー
主題曲
スチール
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