ロイド・ヒューズ
John_King
サタデイ・イヴニング・ポスト誌に掲載された、ドン・バーン氏原作の「理想郷の浪費者」に基き、C・ガードナー・サリヴァン氏が映画劇に書き下ろし、フレッド・ニブロ氏監督の任に当たって完成された過激思想僕滅宣伝映画である。これは内務省が松竹に依頼して購入したのだそうで、着実なる思想養成のために利用されるとのことである。主役は近頃インス映画のスターとなったロイド・ヒューズ氏「正義の囁き」等出演のバーバラ・キャッスルトン嬢と、ユ社映画でお馴染のクレアー・デュブレイが相手役である。その他悪役としてジャック・リチャードソン氏が出演している。劇中過激派の首領ボリス・ブロッチがロシアに於る過激派の状態を物語るところと、最後の大暴動がシヴィリゼーション以来の素晴らしさを見せるそうである。
ジョン・キングという青年は大学を卒業したにもかかわらず、人道のためにという美名に惑わされ過激思想を抱き、同志を率いて同盟罷業の扇動をなしている。故郷ニウ・メドウスにある彼の老父は、彼の幼友達のメリー・ウェストンという気丈な娘に老後を慰められて、息子の立身を待ち侘びていた。メリーが父から譲られてかよわい腕に経営している造船所の職工は、折から全国の鋼鉄製造所職工の大半は大々的同盟罷業に同情して同じくストライキを起こした。これを知ったジョン・キングの一味はニウ・メドウスに入込んでドサクサに乗じてメリーを脅迫して金を提供させようとした。今まで自分等の主義は公明正大で、社会人道のためと信じていた、ジョン・キングは、仲間のこの卑劣な態度を知って急に反過激派となった。その夜行なわれた過激派一味の大暴動は、キングの犠牲的行動で僕滅せられ、今までの非を悟ったキングは老父やメリーに詫びて正しき人生の門出に立った。
John_King
Mary_Weston
Sophia_Guerni
Boris_Blothi
Doctor_King
Michael_Reagon
Andrew_Felton
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