岩城滉一
日暮光次
高性能の750CCオートバイを駆って、スリルとスピード、セックスに青春を爆発させる若者たちを描く、暴走族シリーズの一作。脚本は「実録三億円事件 時効成立」の小野竜之助、監督は「必殺女拳士」の小平裕、撮影は「暴走の季節」の出先哲也がそれぞれ担当。
真夏の土曜の夜は、黒いマシンたち〈暴走族〉の天国だ。だが、日に日に警察の暴走族完全封じ込め作戦が強化され、機動隊との激しい追跡戦の結果、多数が逮捕されていった。グループを擬装解散して釈放された「クライムカイザー」のリーダー日暮光次とそのメンバーの六郎、ヒデキ等は、秘かに再出発を誓ってポンコツ車の改造に精を出した。修理工の光次には、わけのないことである。ある日、完成した“ツッパリ号”をブッ飛ばしていた光次たちは、ジャガーを先頭にした乗用車の一団「ビッグフィクサー」に絡まれて、車を破損された。この所、欲求不満の「クライムカイザー」にとって、これは発散の格好の材料だった。たちまち、二つのグループは大乱闘になったが、パトカーの出現で幕切れとなった。こわされ損の光次は、「ビッグフィクサー」が金持ちのスネかじりだけに腹の虫が納まらず、復讐を企てた。そんな矢先、仲間の六郎が連中にカーリンチ・地獄落しにあい、重体だと聞かされた。病院に急行した光次は、瀕死の六郎を前にして、医者から手術代の五十万円を請求されて途方に暮れる。父親にも見放され、金策の当てのない光次に、中学時代から好意を寄せていた堀川桃子が突然、貯金通帖を差し出した。だが光次は、自分は彼女にふさわしい男ではない、とその申し出を撥ね付けて、「ビッグフィクサー」のリーダー西原タカシ追跡に奔走する。タカシは、光次の行動をキャッチして姿をくらましたが、光次は、タカシの仲間で原宿に高級洋品店を経営する落合マキをつきとめて、追求した。マキはタカシを捜し出して、男らしく車の勝負で決着をつけるべく段取りをしてくれた。勝負はギロチンと呼ばれる死につながる危険なゲームだったが、勝敗は光次に軍配が上がり、タカシから一〇〇万円の小切手を彼はまき上げた。だが、その小切手は不渡りであった。怒った光次は、会社社長であるタカシの父親、西原に掛け合って、金を要求した。しかし、西原は警察に通報し、恐喝として光次を告訴したため、光次は手も足も出せなくなった。釈放された光次は、六郎の手術代を落合マキが支払ったことを聞き、マキに会って理由をきいた。タカシをかばうマキは、さらに追加料を払った上に、光次を一流レストランへ招待して謝罪した。その帰り道、光次はマキを犯した。それは、マキがタカシの父西原の妾であると知った仕打ちであった。数日後、光次たちは「ビッグフィクサー」の仕返しを受けた。桃子がタカシたちに強姦されたばかりか、助けに出向いたヒデキまで激しいリンチを受ける羽目となった。そして、その連絡にベッドから脱け出した六郎も、無理がたたって死亡した。光次の怒りは頂点に達した。光次はタカシを捕えて、激しくリンチし、再び西原に、タカシの体と引き替えに五千万円を要求した。金の受け渡し場所は銀座のド真中で、現金は間違いなく受け取ったが、予測した通り私服刑事に包囲された。光次は、用意しておいたナナハンに飛び乗ると、爆音を轟かせて雑踏の中へ姿を消した。デパートの店内、地下街、大通りなどを、彼は見事なマシンさばきで突破したが、パトカーや白バイの追跡は、執拗であった。テレビやラジオの大報道に、興奮した〈暴走族〉たちが続々と集まり、光次を追走して、白バイの追撃を阻んだ。アパッチ、クレイジーホース、鼠小僧、紅サソリと、その数は増えるばかりで、もはや機動隊の手の付けられない程になっていた。光次は、アクセルを全開にして、思い切りマシンを唸らせた--
日暮光次
落合マキ
堀川桃子
西原タカシ
西原英彦
松岡ヒデキ
石川六郎
ピロ
光次の父親
ノブオ
ケンイチ
オサム
ユリ
早川
刑事A
刑事B
工場長
医者
秘書
ボーイ長
サラ金係
銀行員
TVアナウンサー
白バイ警官
警視庁本部長
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