原田真二
ヴォーカル
一九七八年七月二四日日本武道館で開かれた原田真二のコンサートと、その準備のために“つま恋”で行なわれた合宿風景を記録したもので、監督は「キャロル」の龍村仁、撮影は「十六歳の戦争」の押切隆世の他、片桐允、片山三彦、金森考雄、福元文一、川上皓市がそれぞれ担当している。
一九七八年七月二三日、日本武道館アリーナの片隅に積み上げられたスチール・パイプが手際よく組立られ、ステージの形を整えていく。その上に運びこまれた巨大なスピーカー群、広いステージに所狭しと並べられた楽器の数々、ステージを取り囲む無数の椅子、武道館のロック・コンサートではありふれた光景かもしれないが、この会場で初めてコンサートを開く原田真二にとっては、全てがチャレンジの対象だ。リラックスを装い、スタッフとはしゃぎまわる姿は、緊張を解くための自己暗示のようにも見える。翌二四日、武道館控え室、バンドのメンバーが原田を中心に集まり、コンサートの成功を祈る活を入れる。場内のどよめきが伝わる通路をステージに向かうメンバー、ステージの袖で呼吸をととのえると、意を決したように飛び出していく一同。同時に、歓声が天井でエコーする。白いスリー・ピースのスーツにギブソンを携えて出てきた原田は、挨拶ぬきでいきなり一曲目に入る。自分を乗せるようにがむしゃらに弾きまくっていく。会場の反応に気を良くして、威勢のいい挨拶をすると、次の曲を始める。フェンダー・ローズ・ピアノ、ヤマハ・アコースティック・ピアノ、アルバレス・アコースティック・ギターと、曲によって楽器を変え、汗まみれの大熱演する原田とメンバー。--このコンサートの準備のために“つま恋”で行なわれた合宿の模様が挿入される。コンサートのテーマ曲、OURSONGを作曲する原田。リズム・パタン、テンポなどをテキパキとメンバーに指示していく。--最後の曲を終え、アンコールを求める声を背に控え室に戻る一同、コンサートは大成功だった。放心したように控え室の隅に座り、ジッと俯いていた原田は、ゆっくりと湧き上がってくる成功の実感を納得しているかのようだった。
監督
製作
撮影
撮影
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企画
スチル