菅原文太
山田慎一
日本--シンガポールを舞台に、五〇億のダイヤをめぐるアクション。菅原通済の『昭和秘録・ダイヤモンド大蒙古の行方』から、「日本暗殺秘録」の中島貞夫と金子武郎が脚本を共同執筆。監督は中島貞夫。撮影は「妖艶毒婦伝 お勝兇状旅」の山沢義一が担当。
戦後まもなく復員して来た山田慎一はやっと探しあてた妹絹子が、売春婦になりさがり、梅毒で瀕死の状態となっているのをみて、売春婦という職を憎み、彼女らを救うには大金を得ることだと決意した。ある日、外国人と争う闇屋の大原を助けたことが縁で、大原の相棒となった山田は、しばらくの間大原の二号の松子の所に厄介になった。松子の娘、静子は山田に次第に心を魅かれていった。やがて、大原は政界の黒幕岡村に政治献金を流して、製鋼会社の社長におさまった。岡村はひょんなことから、時価五〇億のダイヤ「大蒙古」を手に入れ、これを彼の理想とする大アジア主義のために使おうと、山田に「大蒙古」を託し、シンガポールの宗に届けることを頼んだ。もちろん、山田は「大蒙古」がダイヤであることなどは知らず飛び立った。しかし、このことがCIDに察知され、岡村は逮捕された。そして山田が日本にもどったとき、岡村は重傷の身であり、間もなく息をひきとった。岡村のなきあと「大蒙古」の存在を知った大原や岡村の秘書中村保守党代議士の関、元海軍特務機関員の黒木等はただちに、宗の手から「大蒙古」をとり戻すため、再び山田をシンガポールに送った。「大蒙古」のすべてを知った山田は、宗からそれを受けとったものの、黒木一味に追われる破目となった。一方日本では、山田のもち帰る「大蒙古」をめぐって、関、森、黒木らのみにくい争いが起っており、大原は彼らの陰謀にかかり、逮捕されてしまった。黒木からこのいきさつを聞いた山田は、黒木と手を握ると約束しながら、「大蒙古」の一人じめを図っていた。裏切りが発覚し、黒木の配下に襲われた山田は運転をあやまり死をとげた。この瞬間から「大蒙古」の行方は消えてしまった。
山田慎一
大原大伍郎
関正直
黒木
偽黒木
中村潔
村山松子
静子
売春婦
森武
坂井一郎
福原誠
吉岡光夫
マダム井上
時田
宗大人
岡村弥六
道斉老人
山田絹子
関正直
監督、脚本
脚本
原作
ナレーション
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
装飾
助監督
進行主任
企画
企画
企画
装置
擬斗
スチール
記録
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