二条朱実
赤間千代
競馬の魅力にとりつかれた人妻の愛と勝負の虚しさを描く。脚本は「(秘)温泉穴場さがし」の大工原正泰、監督は「団地妻 奪われた夜」の遠藤三郎。撮影は「(秘)温泉穴場さがし」の畠中照夫がそれぞれ担当。
いつものように千代は夫と連れだって競馬場へ行った。そこで二人は、土地成金だという競馬狂の柴田と知り会った。翌日、千代は一人で競馬場へ行ったが、偶然、柴田と会った。柴田はゲン直しにと千代に数万円預けたが、その金も千代はスッてしまった。その夜、二人は旅館へ泊まり、結ばれた。以来、千代は家へ帰らず、柴田とともに地方の競馬場廻りを始めた。二ヵ月もたった頃柴田は、実は土地成金ではなく、公金横領の犯人で金は全て使い果たした、と告白し、千代のもとから去っていってしまった。一人になってしまった千代だが、それでも足は自然に競馬場の方へ向いた。ところが、そこには、今は予想屋になっている夫の姿があった……。
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