杉原ミミ
林幸子
家庭への、そして彼らを取りまく社会への反抗が衝動的な破滅への行動をとる。追いつめられた二人の兄妹を中心に傷ついた青春を近親相姦を通じて描く。脚本は峰尾基三と「反逆の報酬」の永原秀一、監督は「セックス・ライダー 濡れたハイウェイ」の蔵原惟二、撮影は「戦国ロック 疾風の女たち」の森勝がそれぞれ担当。
一郎と幸子の兄妹の逃亡生活は、彼らをとりまく家庭・社会への衝動的な反抗として農協を襲ったことから始まった。逃亡中、二人は自然な形で結ばれた。途中、逃走資金を稼ぐべく二人は伯父、林俊彦を強迫し百万円の金を得た。林は即、二人を警察に訴えた。指命手配。追いつめられていく一郎と幸子の愛はますます強く結ばれていった。次に二人はデパートの宝石売場を襲撃し、その際に店員一人を殺してしまった。本格的な車での逃亡生活が始まる。刑事との乱闘の末、傷ついた一郎と幸子は、とある海岸べりの日下家に辿りついた。倦怠期を迎えていた日下達雄と妻美奈子は、かっこうの刺激剤として二人を迎え入れた。一郎も幸子との不倫の関係を精算すべく、あえて美奈子を抱こうと決心し、達雄には幸子と寝るように要求した。しかし、一郎は美奈子を抱くことはできなかった。そして、達雄と寝た幸子を罵るのだった。翌朝、家は警察に包囲されていた。一郎に拒否された美奈子が密告したのだった。
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