鶴田浩二
井上代造
松本清張原作の同名小説を「南太平洋波高し」の棚田吾郎が脚色、「八人目の敵」の佐藤肇が監督した推理もの。撮影もコンビの仲沢半次郎。
崎津弘吉が井上代造と知り合ったのは刑務所だった。田舎ものの弘吉に井上はなぜか大変な好意を示した。釈放された弘吉を自分の家に下宿させ、大日建設の保安員にまで世話した。弘吉が就職した日、大日建設の溝に他殺死体が発見された。大原鉄一という浮浪者で、大原は大日建設用地に戦時中の隠匿物資を掘りに来たことが判った。その六日後、弘吉は井上からある地点で、ある男から物を貰ってこいといわれた。弘吉が指定場所に立った時、黒い人影が弘吉にピストルを渡して消えた。呆然とする弘吉の手に手錠がなった。その頃、パラス・ホテルではムルチ射殺事件が発生していた。ムルチは戦時中、日本軍が掠奪して内地に運んだ物資を調査に、東南アから来日した国賓である。ムルチといた洋子をはじめ目撃者は、口を揃えて弘吉が犯人であると証言した。にも拘わらず弘吉は翌日釈放された。弘吉は井上の家に帰って来たが、井上は何者かに殺されていた。妹美沙子の話によると井上は板倉彰英に使われていた。板倉は戦時中、軍需省の要員で、戦後隠匿物資で大儲けをし財界にのし上った人物だ。弘吉は自分を殺人犯とした板倉の身辺を洗った。板倉の書道教授村田露石の話から井上、ムルチが板倉に殺害されたという推察がたった。そして板倉の情婦洋子もすでに殺されていた。田舎者の頑張りで弘吉はなおも板倉を追った。殺された大原は元憲兵伍長で元の上官村田大尉を尋ねて倒れたものと警察は発表した。そんな頃、美沙子が姿を消した。弘吉は、板倉の所有する鉱山に、隠匿物資とともに美沙子が監禁されていると睨んだ。弘吉は鉱山にとんだ。弘吉は、万一を思って駐在の協力を求めた。その頃、警察も板倉をじりじりと追いつめていた。坑道の奥に美沙子は監禁されていた。そして隠匿物資も。その時、鉱山主任の杉田が二人を狙った。だが、かけつけた警官隊に二人は救われた。その頃、板倉は村田露石と鉱山に車で急行していた。戦時中、隠匿物資の件で板倉を拷問にかけたのは、大原と村田大尉であった。その上、村田は戦後になっても板倉を脅迫して多額の金を取っていたのだ。二人が山についた時、警官隊の車をみた板倉は総てが崩れ去ったことを知った。宝鉱山の隠匿物資は、今頃摘発されているだろう。板倉は、助手席の村田を横目でみながら、車を断崖につっ込んでいった。
井上代造
井上美沙子
崎津弘吉
板倉彰英
杉田一郎
塚口
藤井
洋子
村田露石
中野博圭
三輪
能勢刑事部長
捜査一課長
捜査三課長
小出警部
上田刑事
本橋刑事
菊池刑事
船木刑事
吉沢刑事
大原鉄一
同房の40男
同房の50男
板倉邸女中A
板倉邸女中B
板倉邸女中C
板倉邸女中D
監察医
秀峰荘女中
山陰日報社員
監督
巡査A
巡査B
武装警官
バタヤ
オデンヤ
古物ヤ
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