橋幸夫
岩下留次
「渡り鳥故郷へ帰る」の下飯坂菊馬と「激しい河」の田坂啓と「黒い傷あとのブルース(1961 野村孝)」の吉田憲二が共同で脚本を執筆、「あすの花嫁」の野村孝が監督した純愛ドラマ。撮影もコンビの横山実。
ここは東京下町の工場地帯、ピカちゃんの愛称で呼ばれるひかるは貧しい人たちの味方三原医院の看護婦さんだ。今日も健康診断で森田製作所を訪れたひかるは工員たちの人気者。なかで人一倍ひやかされるのは、ひかると夜間高校で机を並べる勝利だ。そこへ乗りつけた新入り運転手の留次もひかるに目をつけた。その夜、定時制高校の帰り道、肩を並べて歩くひかるにいつもの勝利の口ぐせが始まった。「オレはスカッとしたサラリーマンになるんだ」しかしひかるはちがう。「幸せってもっと身近に転がっているんだわ」一方、留次は休診の日を狙ってひかるを誘いに行ったがものの見事に振られた。ひかるは勝利と先約があったのだ。折も折、留次の母親花子がひとり息子のために、見合い写真をゴッソリ持って上京してきた。留次に三拝九拝されて、ひかるは花子の東京見物の案内をした。ところでひかるが、母親につきそって田舎に帰る留次を送ったことから、今度は勝利が二人の仲を誤解した。そのうえ、念願の一流会社を受験した勝利は、定時制ということで不合格になった。悲観して工場を休んだ勝利を訪ねたひかるは、不機嫌な彼の手を引っ張って裏の土手に連れだした。不貞腐れる勝利にさすがのひかるも怒った。争う二人に、土手の上から声をかけたのは留次だった。「留さん、少しカツ入れて!」ひかるが叫んだ。勝利と留次の間に激しいパンチの応酬が始った。とその時、家出していた勝利の父が車にはねられたという知らせ。病室でうめく父の姿に勝利の目もうるんだ。「これからモリモリ働くぞ!」「元気を出してピカちゃんをはり合うか」留次やひかるの明るい笑いのなかで、三人の手がシッカリ握り合わされるのだった。
岩下留次
三原ひかる
木村勝利
三原泰山
木村長太郎
木村あい
木村和平
岩下花子
金造
黒木先生
松本秋子
玄海
山田
久保
飯田
別所
工員一
工員二
工員三
事務員男
母親
ひさご亭女将
男生徒一
男生徒二
男生徒三
女生徒一
女生徒二
女生徒三
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