ウィリアム・S・ハート
Selfish_Yates
砂漠に近いサースティー・センターの町に酒場を経営する“我利我利”のイェーツは渾名の示す通り、他人の事など些しも念頭に置かず、ただ自己の利のみを計る男であった。メリー・アダムスという娘が妹を連れてこの町へ来たのを見て、彼は酒場の掃除女として酷使したが、日の経つにつれ、さしもに冷かったイェーツの心も、メリーの優しい心に感化され、だんだんと人間らしい温かさを持って来る。メリーの妹は彼の被保護者ホットフットの感化を受け持つ。メリーを手に入れんと窺っていた暴漢リレイが、彼女を襲って重傷を負わせた時、イェーツはリレイを殺そうとしたが、メリーの哀訴で思い止まった。メリーは傷の痛みに耐え兼ねて譫言に今まで胸に秘めていたイェーツに対する切ない思いを口走る。村人はリレイを私刑に行おうとしたが、メリーの望を思ってイェーツは彼を逃れしめるが、天の公平な裁きはリレイの上に降った。
Selfish_Yates
Mary_Adams
Her_little_sister
Hotfoot
Riley
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