谷啓
戸田切人
柴田錬三郎の同名小説を「図々しい奴(1964)」の下飯坂菊馬が脚色「図々しい奴(1964)」の瀬川昌治が監督した文芸もの。撮影は「警視庁物語 自供」の山沢義一。
切人を岡山歩兵聯隊に送って留守宅を守る美津枝の前に、直政が荒んだ風貌で帰って来た。しかしその直政も、スパイの嫌疑で官憲に逮捕された。一方、切人は無理矢理に麻理耶と内祝をあげさせられた。麻理耶は子供だが、女給キリ子との浮気を心配した多嘉の命令であった。やがて、美津枝の家で書生であった人事係将校小野田中尉のはからいで、四国での内勤に配属された切人は、ここで太平洋戦争の終結を迎えた。駐屯部隊の倉庫から、火災のどさくさで砂糖をもち出した切人は、砂糖不足に便乗して闇売りし、満州浪人の三田村と組んで再び、羊羹造りに精出した。GHQへの出入りを許可された切人は、しこたま貯めこんだ。ちょうどその頃、キャバレー用に買っておいた土地が横奪りされたのを知った切人は、その張本人が小野田中尉と聞いて驚いたが、小野田に恩義のある切人は土地を譲り、その代り、昔馴染みの女給キリ子と再会した。その夜女学校を卒業した麻理耶が上京して来た。そして麻理耶から直政がシベリアに送られて行方不明となり、家を焼かれた美津枝は、東京の郊外で戦災孤児の世話をしていると聞いた。早速会った切人は、美津枝の夢である「子供の国」造りの資金を調達するため、不動産屋三田村を通して買った、山林から木を伐採した。切人は弾薬運搬用の箱を造り、米軍に売りつけて一儲け企んだ。これで儲けた切人は、「日本一の城」を造るために、富士山の見える土地を買収した。切人が、その土地を見廻っている日、美津枝は、シベリアから帰還した直政にみとられて息を引き取った。「子供の国」造りに、更に精出した切人は、インチキ金融にひっかかりながらも金策に奔走した。小野田が、インチキ金融で、警察に名乗り出た頃、切人は美津枝の墓の前で、約束の果せたことを報告していた。その後には切人の子を宿した麻理耶が立っていた。
戸田切人
園田美津枝
小野田政治
伊勢田直政
麻理耶
麻理耶
後藤
多嘉
キリ子
尚子
三田村
次郎
ジョージ檜山
マッコイ大佐
通訳A
通訳B
マヤ
米兵
ユキ
リエ
設計士
神崎班長
今西上等兵
刑事A
刑事B
軍医
衛生兵
衛生司令
看護婦
社員
医者
刑事
柴田二等兵
水上二等兵
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