鶴田浩二
草刈信次郎
岩下俊作の原作を「日本侠客伝」の村尾昭が脚色「銃殺」の小林恒夫が監督したやくざもの。撮影は「ならず者(1964)」の林七郎。
明治二十四年、時の流れにのって、北九州の遠賀川にも鉄道が敷設されようとしていた。が、船で石炭を運んでいた川船頭たちは鉄道が敷かれるとメシの喰い上げになるので、強硬に反対した。また、そのために、幼馴みであった鉄道側の松橋組社長松橋と川船頭親方石岡とは仲違いをしていた。そんな折も折、石岡が暗殺された。そんなところへ、国外脱出をもくろんで、東京から流れてきたやくざ、草刈信次郎がやってきた。彼は、自分の親方と不義の仲にあった女房を刺殺して警視庁刑事三杉に追われて、東京から逃げてきたのだ。草刈は松橋が刺殺された現場に居合せたことから、松橋の娘雪子と松橋組組頭宮川のすすめでそのまま松橋組の居候となった。草刈は鉄道工夫の仕事にしだいに生甲斐を感じるようになっていった。そんな草刈に、酒亭ひさごの酌婦北島くみは惚れていった。一方石岡組組頭縄手清治と雪子は、親同士も認めた恋仲だったが、松橋が死んでから雪子は縄手を避けるようになった。証拠は無くとも父松橋は石岡組の手で殺されたのだ。雪子は縄手に挑戦するように鉄道敷設に力を注いだ。松橋が死んでも、鉄道工事は一向に衰えをみせない。あてがはずれた石岡は、一気に工事を破壊しようと、工事現場にダイナマイトを仕かけた。これに反対する縄手は雪子にその事を教えた。が時すでにおそく、火薬は爆発し、居合せた弟新一は命を失った。松橋のみならず、弟新一まで失った雪子の悲しみは大きかった。そんな雪子を見て怒りに燃えた草刈は、石岡に迫った。が、そこに縄手が立ふさがった。草刈の刃は縄手を倒した。鉄道も無事完成した。草刈は刑事三杉の前にだまって両手をさし出すのだった。くみの眼が涙に光っていた。
草刈信次郎
縄手清治
三杉誠
松橋玄一郎
松橋雪子
松橋新一
宮川賢一
小平
留吉
由造
石岡利三郎
磯貞京太
兼村富吉
増本久六
黒田の角助
般若の松三
成田益三
船戸栄太郎
岡部稲吉
田代汽車課長
駒塚
吾一
松五郎
大介
金八
満吉
甚吉
若松の巡査
北島くみ
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