市川雷蔵
霧隠才蔵
「博徒ざむらい」の高岩肇がシナリオを執筆「眠狂四郎女妖剣」の池広一夫が監督した「忍びの者」シリーズの五作目。撮影もコンビの牧浦地志。
元和元年五月、大阪は落城した。だが再挙の執念に燃える伊賀忍者霧隠才蔵は、名将真田幸村を助けて重囲を脱出し、海上に襲う服部半蔵ら徳川方忍者群の追撃を退けて、九州薩摩の島津家へ落ちのびた。島津の当主家久、隠居義弘らは、幸村の智謀を島津の勇武に加えることをよろこび、打倒徳川の機会をうかがった。しかし、なぜかこれが駿府の家康の方に洩れた。才蔵はひそかに探索の手をのぱし、自源流師範海江田一閑斎、茶の宗匠宗全らが徳川方の隠密であることを見破った。才蔵に対決を迫られた二人は、わが身を恥じて自殺した。一方島津家の陰謀を知った家康は激怒し、服部半蔵に、幸村、才蔵討伐を命じた。急を知った幸村と才蔵は鉄砲製造の秘法を探ろうと、種ケ島へ潜入した。そんなある日才蔵は浜に打ちあげられた若い女あけみを助け島の天守堂の神父に預けた。やがて尼僧となったあけみは、しばしば才蔵や幸村を訪れるようになった。が、このあけみこそ大阪で才蔵に殺された忍者武部与藤次の娘であった。あけみは、才蔵をあざむき、さらに今は神をもあざむく身となり、罪の意識に責め悩まされた。一方家康はあけみの情報により幸村と才蔵が島津の被護下にあることを知り、家久に両人を駿府へ送りとどけるよう厳命した。これをいち早く察知した幸村は、才蔵、あけみらと別れの宴をはった。が最中席上へ家康方の忍者がなだれこんだ。あけみは、鉄砲で狙われた才蔵の危機を救った。翌朝あけみは、服部半蔵に裏切りの責めを問われ殺された。鶴丸城へ帰った幸村だが、事態は悪くなる一方。幸村は早くも陰謀の壊滅をさとって自殺した。才蔵は単身駿府城の家康の間に忍びこみ、毒針を吹きつけた。やがて家康は世を去った。才蔵は幸村の霊に誇らかに叫んだ。「殿、才蔵は勝ちました!」
霧隠才蔵
あけみ
志乃
真田幸村
徳川家康
真田大助
島津家久
徳川秀忠
真鶴
島津義弘
金地院崇伝
服部半蔵
赤目の七郎
竜飛
加太の小猿
白子の滝八
本多正純
種ケ島久尚
海江田一閑斎
宗全
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