高橋英樹
大島竜次
「投げたダイスが明日を呼ぶ」の甲斐久尊がシナリオを執筆「男の紋章 花と長脇差」の滝沢英輔が監督した“男の紋章”シリーズ第七作目。撮影もコンビの高村倉太郎。
村田きよのかねてからの念願であった、村田組と大島組の合併が行われ、大島竜次の村田組三代目襲名披露が行われた。だが村田組は竜次の母きよが長年苦労して築きあげたものだ。竜次はこの栄誉に甘えることを嫌い、修業のために一人旅にでていった。この大島組の動きに、ライバル花岡興業はいろめきたった。竜次にさんざん煮え湯をのまされ、つもる恨みのある花岡組の桑田は、これを機会に竜次を亡きものにしようと人斬り稼業根津の三兄弟に竜次のあとをつけさせた。また竜次をしたう大島組の若い衆、辰と虎鮫、村田組をわざと破門になり、これまた竜次のあとを追った。もはや村田組は代貸しの佐平次と大島の雄造を残すだけとなった。一方高市にさしかかった竜次は、八百市場の権利をめぐって対立する、西条組と北野組、二つのやくざの争いにまきこまれて苦しむ百姓の姿をみた。みかねた竜次は、西条組と北野組の決戦の場に単身乗りこみ仲裁の仁義をきり、ことなきを得た。竜次は、この喧嘩で偶然めぐりあった辰と虎鮫を連れてまた旅に出た。それから数日後、父庄三郎の代りに舎弟分として親しかった瀬戸組へよった。瀬戸組では大黒柱の虎一親分が病弱で追いやられ、代貸しの利助が虎一親分の言葉にそむき、非道を極めて商人をいじめぬいていた。竜次はこの、もめていた高市の仕切りを自ら買って出て事を収めた。一方村田組では、川浪一座の興業をめぐって、花岡興業に因縁をつけられていた。すでにきよは渡世から身をひいてこの争いに口を出そうとはしなかった。みかねたきよの娘・晴子は関東和泉田の治五郎の家に竜次を訪ねた。折よく来合せた竜次は、村田組の大事を聞いて飛んで帰り、血気にはやる佐平次らをおさえて、そのまま単身花岡組に乗りこんだ。事をおだやかに治めようという竜次の願いもむなしく、花岡組は竜次に白刃を向けた。だが竜次の怒りの剣はさえ、花岡組も意を屈した。竜次はなおも追いすがる刺客三兄弟を折り、またどこへともなく修業の旅に出ていった。
大島竜次
村田きよ
晴子
雄造
松
虎鮫
三郎
佐平次
桑田
長瀬
刺客A
刺客B
刺客C
大津の仙三郎
賭場の客
徳兵衛
西条
北野の清六
代貸し源次
砂原の重助
佐次郎
和泉田の治五郎
治五郎の娘早苗
渡しの哲
赤シャツの親分
川浪一座の座長
警察署巡査
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