![小林旭](/img/common/temporaryImage.png)
小林旭
片目の一本松
「嵐の果し状」のトリオの星川清司がシナリオを執筆し、松尾昭典が監督、岩佐一泉が撮影を、それぞれ担当したアクションもの。
大正のころ。イカサマ博徒半次郎と三郎は、造手に追われて、とある漁師町にやってきた。三人はその町のやくざ舟留屋文吉が、あこぎな高利貸しをやって町民を苦しめていることを知った。そんな折り、半次郎は美人芸人民子を助けたことから舟留屋の子分と渡り合った。しかも、いざこざで民子の父を殺したのが半次郎だったため、半次郎は民子にも狙われることになった。その夜、舟留屋三代目の襲名披露花会が開かれることになっていた。半次郎と三郎はそこに集る大金を奪おうと様子を窺っていたが、これを嗅ぎつけたのが、流れ者の一匹狼一本松である。二人はまんまと大金を持ち出したが、乱闘の最中、文吉が何者かに殺されていた。半次郎をその犯人と思った子分たちは、必死になって後を追った。一方、一本松は舟留屋に乗り込み、盗まれたゼニと引換えに半次郎と三郎をバラすと約束した。その頃、半次郎は鳥羽田組に捕まりリンチを受けたが、三郎は金を持って逃げのびた。鳥羽田組の姐御菊は、半次郎の腕っぷしに惚れ込み、身内にしようとしていたが、一本松はその半次郎を逃がし、そのうえで二人を殺そうと菊に、持ちかけたのだ。半次郎はその間に、芦田村に着いた。そこには大金を手にして有頂天になった三郎と、母親のまさがいた。しかし、そこへ民子を伴なった一本松が現われ金の出所をバラしたのだ。まさは泣き出してしまった。愁嘆場に弱い一本松は、近くの温泉町にいき、そこで菊と会った。舟留屋や鳥羽田組の子分たちが、近くまで来ているのだ。一本松はその夜を菊と過したが、文吉を殺したのは舟留屋を乗っ取ろうとした菊にほかならないことを知った。翌日、三郎の家はやくざ一味に取り囲まれていた。一本松は半次郎や三郎と共に彼らを倒し、ちゃっかり、金を三等分すると引きあげていった。菊の助っ人さむらい政が後を追って斬りかかったが、しょせん一本松の敵ではなかった。
片目の一本松
磯貝半次郎
岩村三郎
岩村まさ
吉沢民子
さむらい政
鳥羽田菊
鳥羽田弥市
波蔵
毘沙門
疵六
加代
舟留屋文吉
寺辰
鍬三
デカ寅
金次
庄吉
市川綱五郎
千鳥
とんぼ
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