大楠道代
お波
「秘録おんな蔵」の浅井昭三郎がシナリオを執筆し、「座頭市果し状」の安田公義が監督した「秘録おんな牢」の続篇。撮影は「関東女やくざ」の牧浦地志。
江戸小伝馬町の女牢に入れられた女囚たちの毎日は、苛酷な刑罰や、女囚同士の掟に枠をはめられていた。その一人お波は、父に代って十数人の馬力人足の頭に立っていたが、稼業上の争いから相手を傷つけ、牢に入ったのだった。ある日、女囚のおせきは新しく入って来たお玉に、“地獄入りの儀式”というすさまじい歓迎式をやった。だがお玉は、秘かに隠し持っていた金で牢名主の関心を買い、次第に目にあまる行動をとるようになった。そのため、ついに女囚たちの手で牢格子に逆吊りにされるというリンチを受ける羽目になった。牢役人の仙蔵は、お玉の危ういところを助け、その代償に身体を求めた。一方、お波は、身体を与えれば拷問しないという仙蔵を拒んだため、何度も拷問を受けたのである。その上、遠島になるはずたったおえんが釈放され、微罪放免されるはずだったお六が医者の牢屋敷手付千賀の薬を飲んで死ぬなど、不正なことが大ぴらに行なわれていたのだ。お波は、こうした有様では自分も殺されるかも知れないと思い、秘かに破牢の準備を進めていた。だが、これは仙蔵の耳に入り、女囚たちは再び、凄じいリンチを受けた。しかし、誰一人首謀者お波の名を口にする者はいなかったのだ。そんな時、おせきの手でお玉が殺された。お波はこれを破牢の最後の機会にしようと決心した。お玉の死を聞かされた仙蔵は不用意にも牢に入ってきた。女囚たちに背後から襲われ、大小を抜きとられては、仙蔵には手が出なかった。この騒ぎは牢屋奉行に鎮められた。というより、公平な裁きを約束した奉行を信じたお波らが、自ら罪に服したのだった。
お波
お熊
おせき
おえん
竹内仙蔵
お玉
お吉
牢役人佐伯
石出帯刀
町奉行吟味与力
千賀養
おたか
お六
おとし
新入りの女囚
牢番
目付役
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