赤木圭一郎
高野昭
宮田輝明・柏木和彦の共同脚本を、「男が命を賭ける時」の松尾昭典が監督した赤木圭一郎のボクシングもの。「やくざの詩」の藤岡粂信が撮影した。
チャンピオン白坂に打たれて大山がダウンして以来、野中拳会長野中の夢は破れた。数日後、スポーツライターに誘われて京南大のボクシング部を訪れた野中はレクリエーションにボクシングをやるという高野昭に目をつけた。そしてその強烈なパンチとファイトにもう一度夢をかけることにした。亡父の遺志をついで兄の雄介と共に電気工学の道に入るという昭はプロ入りを断った。昭が女子学生ひろ子とナイトクラブに出かけた夜、雄介が愚連隊に襲われた。自首して出た加害者という男が替玉で、真犯人が元ボクサーの石垣であることを知った昭は石垣を倒した。昭は無期停学になり雄介も新しい設計が盗作だという理由で会社をクビ同様にされた。自由を欲する昭はあくまで野中の申し出を断り、野中もいさぎよく諦めた。雄介傷害事件の張本人が、昭を経済的窮地に追い込んで勧誘しようとする部下の中原であったことを知った野中は怒ったが、二人の話をきいた昭は野中の潔白を知り、プロ・ボクサーになる決心をした。雄介は悲しんだが、野中の叱咤のもとに昭ははげしい練習をつんだ。そして相手を次々にKOした昭はゴールデン・ボーイと騒がれ、野中の野望は燃えた。祝盃をあげる昭を従妹の美知子が訪れたが、ひろ子は故意に媚態をつくして美知子をうとんじた。昭の進撃は凄じく、二十連勝ののち、ウエルター級チャンピオン白坂とのタイトル・マッチが調印された。大山はそんな昭を嫉んだ。決戦のときは来た。若い昭の気負いは老巧白坂の思うツボであり、昭は白坂のパンチに何度もマットに這った。最終ラウンド、両眼ははれあがり血だるまになった昭のパンチが白坂をたたいた。ダウン、白坂はついに立ち上らなかった。しかし昭も意識を失って倒れた。両眼失明寸前という昭に、医師は昭のボクサー生活が終ったことを宣告した。野中の絶望、ひろ子は去った。制止する美知子をふりきって訪れた昭の目の前で白坂は死んだ。やがて病院を出た昭の心は、不思議に明るく強い希望にもえていた。
高野昭
高野雄介
美知子
敬六
三谷ひろ子
三谷竜子
野中修一
野中和枝
中原悟郎
小山田専務
天川技師
白坂辰巳
白坂の妻
戸川選手
吉田
主任警部
A刑事
B刑事
吉沢弁護士
田宮弁護士
拳闘部小沢
拳闘部江田
拳闘部南
拳闘部長島
医師A
医師B
石原トレーナー
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