益田喜頓
佐藤源造
刑事物語シリーズの第八話で、「金語楼の俺は殺し屋だ!」の高橋二三の脚本を、「刑事物語 知り過ぎた奴は殺す」の小杉勇が監督した。撮影も「刑事物語 知り過ぎた奴は殺す」の間宮義雄。
草津の町ちかく、郵便車にはねとばされた男があった。乗っていた局員の久保田と三島がとび出し介抱しようとした。その一瞬のすきに、二人の男が車にとび乗り、走らせた。はねられた男もいつのまにか姿を消した。巨額の現金書留が奪われたのだ--その夜、草津町のあるバーの奥で、昼間の男たち、遠州、神風とハチ、それにマダムの加代が奪った金を山分けにしていた。そこへ久保田が入ってきた。彼は遠州に、手を切りこの町から消えてくれと頼んだ。久保田は鑑別所を出てから弘子と結婚し、郵便局で臨時雇いとなって真面目に働いていた。それを鑑別所の知り合い遠州らがかぎつけ、彼をおどして一芝居打ったのだ。久保田は、一通の現金書留に目をとめた。妻弘子から東京の佐藤源造宛のものだった。弘子は問いつめられて意外な過去を告白した。彼女はかつてズべ公で、更生させたのが佐藤老刑事なのだ。五千円は無銭飲食代を佐藤が立替えてやった金なのだ。佐藤刑事は、息子の保郎刑事とともに草津へ向った。久保田は過去を弘子にうちあけ、自首する決心をした。その時、遠州、神風、ハチが入ってき、ナイフを抜いて弘子に迫った。もつれあい、神風が死んだ。久保田はもう自首できなかった。遠州らが高とびの金を久保田にせびった。もう一度郵便車強盗を手伝えというのだ。彼らを佐藤親子刑事が監視していた。久保田が郵便車を運転する日がきた。途中、遠州とハチがのりこんできたが、久保田は目的の駅に向おうとした。久保田はリンチを受けた。その時佐藤刑事が姿を現わした。事件は解決した。ジープで連れていかれた久保田の後姿を、弘子がいつまでも見送っていた。
佐藤源造
佐藤保郎
久保田稔
久保田弘子
遠州
神風
当り屋のハチ
市川警部補
三島
郵便課主任
加代
すみ江
記者
特定局女事務員
まんじゅう屋お内儀さん
医者
旅館お内儀
木コリ
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