ジョン・ノートン
アレクサンダー・マクダーモット
ハリウッドからマーガレット・オブライエンを迎えて美空ひばりと共演の作品で、企画は加賀四郎。脚本は「東京のえくぼ」の小国英雄が書き「白蘭紅蘭」の仲木繁雄が監督に当っている。撮影は「二つの処女線」の高橋通夫。出演者は「百萬人の音樂」「若草物語」その他のアメリカ映画でわが国にも知られたマーガレット・オブライエンと「牛若丸」の美空ひばり、「稲妻(1952)」の三浦光子とが主演するほか、岡村文子、中村哲その他の人々が助演している。
キャサリン・マクダーモットは学校の休暇を利用して、日本に駐在する父をたずねて来た。父とハウス・キーパーの田代正子に迎えられたキャサリンは、家へ向う自動車のなかから見る珍しい風景に心を奪われていたが、自分位の年頃の少女をリーダーにした子供の楽団が街角で演奏していた姿は特に心に残った。その楽団は阿部マリ枝を頭にした浮浪児の集まりだったが、「孤児院聖母寮建設資金募集」の旗をたてて稼いでいるのだった。それを街のボス浅沼利一にいんねんつけられ、追われてマリ枝が逃げ込んだのが、キャサリンの家だった。言葉は通じないながら二人の間には手真似、眼まぜで段々親しさが増し、大の仲良しになった。楽団の解散で、喰えなくなった浮浪児が、またもとのチャリンコをやってつかまったとき、キャサリンは何もうたがわずマリ枝のいうまま子供たちの身許引受人になってやった。そして、ほん気になって孤児院聖母寮の建設資金募集を思いたち、マリ枝をはげました。マリ枝はキャサリンをいつわっていたことを後悔し、子供たちを集めてこんどは本当にそのために働き出した。キャサリンの父や、田代正子などの援助でやっと寮の建設の運びになったとき、キャサリンも休暇が終り彼女を愛するたくさんの人々に見送られ、アメリカへと立って行った。
アレクサンダー・マクダーモット
キャサリン・マクダーモット
田代正子
服部君子
厚生大臣
阿部マリ枝
大村忠雄
ざあます婦人A
ざあます婦人B
武宮一郎
公衆電話を待つ男
浅沼利一
大工の親方
[c]キネマ旬報社