弥次喜多
弥次喜多
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弥次喜多

1954年7月4日公開、コメディ
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「鳴門秘帖 前篇(1954)」の舟橋和郎が脚本を書き、「学生五人男」の小杉勇が監督する弥次喜多道中喜劇。「黄金街の覇者」の星島一郎が撮影を、「舞妓物語(1954)」の大久保徳二郎が音楽を担当している。出演者は、「三代目の若旦那」の杉狂児と「夏祭り落語長屋」の清水金一とが弥次喜多コンビを演ずる外、「嵐の青春」の西条鮎子、「少年姿三四郎 第一部山岳の決闘 第二部大川端の決闘」の宇治みさ子、「最後の女達」の利根はる恵に、長谷川菊子、日野明子、大泉滉等。

ストーリー

東海道の巻--江戸八丁堀に住む弥次郎の所へ、同じ長屋の喜多八が難題を持ちこんだ。喜多八は、うっかり親分の金を使いこみ、親分が手をつけた飯炊女お時を引きとらねばならぬ羽目に陥ったが、喜多八の女房は評判のヒステリーだから、大人しい女房を持つ弥次郎に引きとってくれと云うのだ。相手がミス飯炊きときいて、うっかり恋女房を追い出した弥次郎は、お時の臨月姿と面相にうんざりしたが、親方からお時の腹の子の父親は喜多八だと知らされて憤慨する。だが恥ずかしくなった二人は夜逃げをして、東海道をテクリ、着いた所が小田原の宿。宿で五右衛門風呂へ案内された二人は、入り方が分らず、下駄をはいて入ったが底が抜けて大騒ぎ。その夜、駈落者と見せかけたゴマの蝿春樹と間知子の隣室でのラヴシーンにボーッとなった二人は財布をすられてしまう。無一文になった二人は、清水次郎長親分の家で厄介になるが、折柄殴りこみをして来た吃安一家の者に立ち向かい、刃が立たず命からがら逃げ出す。渡し舟に乗った二人は石松と会って見こまれたが、荒井の宿の関所の前でアベックゴマの春樹と間知子に会い、石松の助太刀で難なく捕縛、財布を取りかえし意気揚々と旅を続ける。 高野山詣での巻--あいにくの時化模様に讃岐金毘羅船に乗った弥次喜多は、禁制の蟹を食べた罪で五郎蔵親分に殺されかけた久吉を助けるが、久吉は父親市兵衛を尋ねて旅する身だった。だがこの時舟が沈んでバラバラになり、丸太にすがって助かった喜多八は、弥次郎が死んだと思い、菩提を葬うつもりで四国路のインチキ神占を受けたところ大枚五両をとられ、又巾着切に会ってスッカラカンになる。丁度このとき腹を空かせた弥次郎とすれちがうが、二人共フラフラで気がつかない。一方久吉もひもじさに巡礼の金を盗もうとするが果さず、実はこの巡礼が父親だったのだが恥ずかしさに名乗ることもできなかった。この時弥次郎がやって来て久吉を慰めるが、やがて喜多八とも再会する。皆一文無しなので無銭宿泊をしようとするがダメ。遂に賭場荒しを始めた弥次郎だが、イカサマがばれて五郎蔵親分に殺されかけた寸前、市兵衛に助けられた。ここで久吉も晴れて父親と対面することができた。 木曾街道の巻--勤皇佐幕の争いの真只中なる三条河原に現れた弥次喜多は、度肝を抜かれて琵琶湖畔まで逃げたが、そこで名物鰻頭を食べすぎ、変な薬を飲んで腹痛に苦しんだ。おまけに喜多八は、近くの柿を盗もうとして見つかり、百姓達に眉毛を剃られ、それが因で道中二人は歌舞伎役者と間違えられ、遂に上趣訪の宿の素人芝居出演の羽目に陥る。宿でチヤホヤされた二人は、一人娘のお七に色目を使うが、芝居の話になるとトンチンカンである。演物は「切られ与三」ときまったが、折から芸者の秀駒が湯殿に入るのを見た喜多八は、お富に扮して女湯に入るが髪が落ちて大矢敗。扨て様々の失敗を繰り返す中に初日とはなったが、舞台の弥次喜多はすっかりあがってしまい、遂に舞台に立往生してしまう。怒った見物人達に殴られながら、やっと身を脱した二人は、生れ故郷の江戸を目指して無我夢中でかけ出すのであった。

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作品データ

製作年
1954年
製作国
日本
初公開日
1954年7月4日
製作会社
東映東京
ジャンル
コメディ


[c]キネマ旬報社