地獄の花束
地獄の花束
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地獄の花束

1954年12月14日公開、104分
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富田常雄の小説『嵐の中の顔』を「不滅の熱球」の菊島隆三が構成し、「喧嘩鴉」の永江勇が脚色に当り、「若旦那武勇伝」と同じく芦原正、竹野治夫が監督と撮影を担当する。主演者は「この広い空のどこかに」の大木実、「喧嘩鴉」の野添ひとみ、「地獄への復讐」の大坂志郎、「初姿丑松格子」の島崎雪子等である。

ストーリー

N新聞の見習記者牧は、やくざの前身がバレて首になったが、同時に婚約者南条由紀江の母から婚約の解消を申渡された。傷心の牧は毎日職を求めて歩いたが得られなかった。かつての弟分河童の勇が無銭飲食をした事から、八丁荒しの門三郎といわれた昔の啖呵を切ったが、必死にとりすがる女店員奈々子の姿に心がくじけ草々に立去った。闇切符屋になった牧は、由紀江が新しい婚約者と歩いているのを見て、無理に由紀江を温泉マークに引きずりこんだものの、却って取りすがる彼女を残して出て行った。彼は奈々子が無銭飲食の件で首になった事を知り、勇が工面した金を持って彼女を訪れた。そして彼女の復職を頼みに行ったが、店主が相手にせず与太者を使って追出そうとしたので、怒った牧は乱闘の末、警察に留置された。数日後奈々子の愛情と川崎刑事の温情をうけて釈放された牧は、かつての親分田代の経営する体育ホールの事業を担当する事になり、奈々子もその事務員に雇われた。或る夜牧は銀座のキャバレーで歌手に変り果てた由紀江と再会した。母を亡くした悲運の彼女だが、牧の憎しみは消えなかった。すてばちになった由紀江は彼女を慕うぐれはまの喜三と遊び歩くうち、田代組の不正を知る喜三は田代の仔分に襲われ、誤って一人を殺すが由紀江の証言で正当防衛が認められた。田代は牧に喜三を殺せと命令する。牧は一度び断ったが、応じなければ奈々子に危険が及ぶので、やむなく喜三の家に現れたが、喜三の堅気になろうとする決意に打たれ、由紀江との幸せを祈って立夫った。そして牧は奈々子の家に身をかくしたが、彼を忘れかねた由紀江と共に田代一味に檻禁され、すで危いところを逃れ出た由紀江の急報で川崎刑事以下の活躍によって救われた。

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作品データ

製作年
1954年
製作国
日本
配給
松竹
初公開日
1954年12月14日
上映時間
104分
製作会社
松竹・京都


[c]キネマ旬報社