百面童子 四部作
百面童子 四部作
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百面童子 四部作

1955年3月28日公開、時代劇
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「紅孔雀 五部作」と同じく北村寿夫の原作を小川正が脚色、「野ざらし姫 追撃三十騎」の小沢茂弘が監督する。撮影は新人カメラマンの坪井誠、音楽は「お富さん」の白木義信の担当である。出演者は「侍ニッポン 新納鶴千代」の東千代之介、市川百々之助、「月笛日笛 三部作」の伏見扇太郎、「愛すればこそ」の永田靖、「女給」の星美智子、「春秋あばれ獅子」の和田道子のほか、美多川光子、浦里はるみなど。

ストーリー

第一篇--飛弾の国高山の豪族宍戸左門には二人の子供があり、兄は左源太、弟は右源太と云った。或る夜、左門の持っているギヤマンの鏡を奪うため、南蛮イスラム王国の妖術師婆天連坊が兄弟の家を襲い、鏡が見つからず右源太を捕えたが、忍術使いの三枝鉄之助のために横取りされた。鉄之助は、都の代官式場主膳の腹心で、やはり左門のギヤマンの鏡を狙っていた。左源太は弟の行方を探すため都へ出たが、父からはじめてギヤマンの鏡にまつわる秘密を聞いた。宍戸左門は若い頃、堂前主膳と二人でイスラム王国に渡り、ドン・カベロの反乱軍と戦う王国を救援した。王様は王家再興を頼み、彼らにギヤマンの鏡とマリヤ姫を託したが、姫が十八歳の満月の夜、この鏡を月の光に照らすと、王家の莫大な金銀財宝の在処が忽ち判るというのである。王と妃は自刄したが、左門は鏡を主膳は姫を預って帰国した。一方ドン・カベロも姫と鏡を奪うため婆天連坊を派遣したのだ。そして主膳は十七年後の今遂にこの鏡を左門から奪ってしまった。左源太は主膳の邸へ乗りこんだが、危機にさらされ、忽然と出現した百面童子に救われた。主膳は怒って百面童子を捕え、これを火焙りの刑にする。第二篇--正に身を焼かれようとした時、風の如き早耳小僧のために百面童子は難を遁れた。怒った主膳は、左門の弟の善右衛門と娘雪絵を捕えようとし、善右衛門は百面童子に救われたが、雪絵は鉄之助が穏してしまった。しかし主膳は婆天連坊のためにマリヤ姫を奪われた。婆天連坊は今度は牢に閉じこめてある右源太に鏡の在処を云わせようと責めた。左源太は番兵に化けて忍びこみ弟とマリヤ姫を救ったが、婆天連坊に追いつめられた。この時百面童子が姿を見せたが婆天連坊の鉄砲のため堀に転落した。鉄之助は雪絵をある洞窟に連れて来たが、そこで左門が鎖でしばられたまま岩を掘らされていた。こうして鏡のところ迄穴を通じさせようとしたのだ。この時再び百面童子が現われて鉄之助を追った。その後左源太が駈けつけて父左門との再会を喜んだが、鉄之助は引返して洞窟の中の三人を生埋めにしようとした。第三篇--命運尽きたと見られた三人も、左門が作っておいた抜け穴のお蔭で虎口を脱した。婆天連坊は、ある日左門父子が語り合うのを耳にし、鏡の在処を知り、数日後の深夜、代官屋敷の宝庫に現われ、手文庫の奥深く秘められたギヤマンの鏡を取り出したが、主膳一味と百面童子に襲いかかられた。争奪戦の末、真ッニつに割れた鏡は、婆天連坊と百面童子に半片ずつ渡った。右源太と暮すマリヤ姫は、自分が主膳の娘ではなく、イスラム王国の王様の娘なのだと知って驚いた。婆天連坊はマリヤ姫を手に入れようと妖術で化け込んだが、右源太に見破られ、急を聞いて左源太も駈けつけた。だがその妖術の短筒に、左源太の命は風前の灯となった。第四篇--婆天連坊の短筒が正に火を吐こうとする時、マリヤ姫が突如悲鳴とともに宙に浮き上った。鉄之助が忍術でさらったのだ。しかし姫の隠し場所は左源太によって見破られ、鉄之助と斬り合いが始まったが、その忍術にかかっては敵わなかった。この時現われた百面童子のために、鉄之助も最後には右源太の短筒に仆された。婆天連坊は西洋占了斎によって祖国愛を説かれ、百面童子と手を握り、二つに割れた鏡は一つに合されたが左門の鑑定で偽物と判った頃、本物の鏡を持った主膳が小雪を姫に仕立て船に乗って出帆した。そしてドン・カベロの許へ行き大いに喜ばれたが、やがてマリヤ姫を擁した左門の一行が乗り込んできて王宮は大混乱に落入った。この時婆天連坊がドン・カベロの手から鏡を奪い、さらに姫を抱えて本性を現わした。口惜しがる左門たちも、その妖術の前に手も足も出ない。そこへ不思議にも百面童子が現われ婆天連坊を倒し、王様の旧家臣のけっ起にドン・カベロも滅びた。彼の手を取って感謝するマリヤ姫の前に、初めて正体を現わした百面童子とは左源太だった。

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作品データ

製作年
1955年
製作国
日本
初公開日
1955年3月28日
製作会社
東映京都
ジャンル
時代劇


[c]キネマ旬報社