トム・ムーア
Kelly
「ジャズの酒場」 出演のトム・ムーア氏と「陸軍士官学校」出演のベシー・ラヴ嬢とが共演する映画で、レイ・ジェイスン氏が同名の小唄に暗示を得て書き卸したストーリーからジョン・ビー・クライマー氏が撮影台本を執筆し、それによって新進のウィリアム・ワイラー氏が監督したものである。主役二人を助けて「私のパパさん」出演のトム・オブライエン氏やケイト・プライス夫人、アルフレッド・アレン氏が出演している。
パット・ケリーは欧州対戦に渡仏したが、彼はその道にかけては剛の者とて当たるを幸いにフランスの娘どもをからかって廻った。そして口癖のように、戦争が済んだらアメリカにやって来て自分と結婚する様にと言うのであった。この出鱈目を間に受けたフランス嬢にジャネットというのがあった。彼女は彼の言葉を信じ料理番として紐育行きの船に乗り込みアメリカへ向かった。が、彼女は上陸を拒否されたので密かに上陸を企てた。それを発見したのは、かつてフランスに於いて彼女の愛をケリーと張り合った男で、今此処では税関史をしているバック・ジョンスンであった。併しジャネットは巧みにバックの追跡をくらまして脱れた。その後、長いことケリーをジャネットは探したが彼女は漸くにしてケリーが交通巡査をしているのを見出し、彼に住所を教えられてそのアパートメントに赴いた。そこで再び彼女はバックに捕らえられんとしたガ、ケリーが帰って来てバックを撲り飛ばした。然しそのためにケリーは拘引せられてしまう。この時分にはケリーは心からジャネットを愛していたのであったが、ジャネットはその心を察せず、ケリーが己を愛していないものと思い、独り淋しく船に帰っていった。この由をバックから聞き知ったマロイ警部は、気の毒に思い、ケリーを放免してジャネットの跡を追わしめた。ケリーは直ちに警察用の自動車を飛ばして波止場へと迅走した。そして彼は辛うじて出帆間際にジャネットの許に走せける事が出来た。彼はジャネットを抱き締めて、愛を誓った。ジャネットの心の結ぼれは解けた。彼女はフランスへ帰るのを止めた。そしてケリーと共にアメリカで暮らすことになった。
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