昭和三十年五月、京都大学の木原均博士を隊長とする学術探検隊一行十二名の、イーストマン・カラー色彩による記録映画作品、全九巻。
ストーリー
五月十五日、パキスタンのカラチに到着した一行は、木原博士を隊長とするヒンズークシ隊(隊員七名)と、今西博士が指揮をとるカラコルム隊(隊員五名)に分れ、植物・地質・人類の三つの立場から各種の調査を行うべく夫々の目的地に向った。ヒンズークシ隊はクェッタで、木原博士の学説に従い小麦の祖先の一つ“たるほ小表”のありかを尋ね、当地の附近で野生の状態にあるのを発見した。次いで一行は国境を越えてアフガニスタンに向った。砂漠と草原の国で、アジア大陸の秘境の一つでもあるアフガニスタン。ここで一行は十三世紀の頃、ジンギスカンが住民を一人残らず殺戮したシャリゴルゴラの城跡、人呼んで“亡霊の丘”や、当地の仏教徒が華やかなりし頃、崖をけずって建立した高さ五十三メートルの大石仏を見た。又、回教の青い寺院、遊牧民やキャラバンの生態から目指すモゴール族に逢い、数々の収穫を得た。一方、インダス河の奔流をさかのぼって雪渓を進むカラコルム隊は、ヒマラヤ造山帯の構造を探りつつバルトロ氷河に達し、そのクレバスなどを詳さに観察したのである。おもな撮影地はパキスタン、カラチ--パキスタンの首都風俗描写。クェッタ--国境に近い町、附近で「たるほ小麦」の調査。ギルギット--パキスタン側カシミールの中心。谷間の小さな町。アフガニスタン、カーブル--一、八〇〇米の高原にある首都、風俗描写。バーミヤン渓谷--ジンギスカンの城跡、シャリゴルゴラ、大石仏。ソルフコータル--フランス探検隊の発掘。マザリシャリク--回教寺院。トルキスタン平原--砂漠の生態とオアシス。ゴーラト地方--タイワラの遊牧民とゼルニーのモゴール族。フンザ・ナガール--二つの小王国の風俗紹介、氷河地帯。
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