マリヤ観音(前後篇)
マリヤ観音(前後篇)
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マリヤ観音(前後篇)

1956年8月5日公開、101分、時代劇
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雑誌“明星”に連載され文化、新日本両放送で連続ラジオ・ドラマとなった北村寿夫原作の映画化。秘宝“マリア観音”をめぐる時代活劇篇である。脚色は、「大当り男一代」の鈴木兵吾、監督は「青い夜霧の港町」の酒井辰雄、撮影担当は「黒姫秘帖 (二部作)」の竹野治夫である。主な出演者は「黒姫秘帖 (二部作)」の中村賀津雄、中川弘子「白い魔魚」の石浜朗、「青空剣法 弁天夜叉」の小山明子、「続・この世の花 第8部」の山鳩くるみ、「女難屋敷」の高野真二、その他山路義人、石黒達也、須賀不二夫、夏川静江など。

ストーリー

前篇・謎の秘宝--群雄割拠した戦国時代。飛弾観音城の城主浮木忠勝は、ポルトガルから借り受けた平和の象徴、黄金の聖母マリヤ像を城内に安置し、乱世の収集を計っていた。だが、この像の値打に目をつけた老臣風早典膳は腹心の薄田玄蕃ら一味と謀叛を起した。乱戦の末、忠勝は忠臣宇奈月左門に像を托して絶命し、若殿は行方不明となった。左門は幼い雪姫を抱いて辛くも火焔に包まれた城内から脱出した。しかし左門は、マリヤ観音像を守護する乳母墨染と離れてしまう。その後典膳は何者かに殺され、十五年の歳月が流れた。左門は百姓に身を変え、雪姫を一子隼人の妹として育てた。ある日、彼は兄妹に真相を打ち明けたがその直後暗殺されてしまう。隼人は雪姫を尼僧阿曽加尼にあづけ、父の仇と観音像を求めて旅に出た。数日後、隼人は山中で、火打丸と名乗る山賊の首領に逢ったが、彼こそは若殿の成長した姿だった。火打丸は彼が遠矢にかけて殺した典膳の娘しのぶと相愛の仲であった。隼人が二人に別れを告げ旅立っていった或る日、しのぶは謎の矢文から自分と火打丸の素性を知る。一方、老女墨染の郷里へ愈ぐ隼人は、玄蕃の術策に落ち、はぐれの平次を首領とする山賊共に捕まり、そこで玄蕃こそ父の仇と知った。その頃隼人の身を案じた雪姫は、置き手紙を残して墨染の郷里に向っていた。仲間に加われとの玄蕃のすすめを拒絶した隼人は、危機一発、黒衣の人物に教われ、山麓へと逃れた。その後を玄蕃一味の騎馬隊が追って行く。後篇・湖上の決闘--隼人は山麓の破れ寺で玄蕃一味の追跡を逃れた。一方、雪姫は落雷で失神した処を墨染に救われたが、過去の記憶を一切喪失していた。その頃、しのぶは小屋を訪ねて来た兄法師丸と再会し、彼から仇火打丸を討ち観音像の行方を探る一味に加われと命じられた。しのぶは恋する火打丸を討てず、止むなく法師丸は兄妹の縁を切って立ち去ったが火打丸に出合い、激闘の末、足をすべらせて断崖から転落した。墨染を探し求める隼人は又もや玄蕃一味に襲われたが、平次の娘百合に助けられ、以前彼を救った黒衣の人物が彼女であったことを知った。玄蕃は墨染を捕え、観音像の在り場所をと迫ったが、墨染は口を割らない。しかし玄蕃は遂に雪姫を捕え、彼女を折檻して像の所在を知る。狂暴な玄蕃が不用になった雪姫を斬ろうとした時、間一髪現われた隼人は墨染諸共救い出した。像の秘められた鐘乳洞に急ぐ玄蕃一行を追う隼人らは、火打丸の出現や、以前雪姫を救ったことから彼女に好意を寄せている法師丸の手引きで玄蕃一行より一足先に洞に着き、観音像を発見した。しかし玄蕃の追求は厳しく、辛くも血路を開いて湖上に逃れた火打丸、隼人らの小舟の後に、玄蕃一味の小舟が次第に迫って行った。

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作品データ

製作年
1956年
製作国
日本
配給
松竹
初公開日
1956年8月5日
上映時間
101分
製作会社
松竹・京都
ジャンル
時代劇


[c]キネマ旬報社