高田浩吉
武市半平太
一世の名優故阪東妻三郎の追善記念映画としてオールスターキャストで描く幕末京洛絵巻。「遠山金さん捕物控 影に居た男」の小国英雄のオリジナル脚本より、「鶴八鶴次郎」に次いで大曽根辰保が監督、同じく石本秀雄が撮影を担当する。主な出演者は「涙」の田村高廣が時代劇初出演する他「鶴八鶴次郎」の高田浩吉、「荒木又右衛門」の松本幸四郎、「紀州の暴れん坊(1956)」の中村賀津雄、高野真二、「月形半平太(1956)」の大河内傳次郎、「のんき侍大暴れ」の北上弥太朗、「与太者と若旦那」の瑳峨美智子、「猫と庄造と二人のをんな」の山田五十鈴、「鶴八鶴次郎」の小山明子、「忘れえぬ慕情 Printemps_a_Nagasaki」の浅茅しのぶ、その他、伊吹友木子、紫千代、市川小太夫、永田光男など。
元治元年六月、祇園祭をあと二日に控えた京の街。新撰組のため、とある鐘つき堂まで追いつめられた桂小五郎は拳骨和尚の機智で助けられ料亭祇園の“よし松”へ逃れる。和尚も後を追い、よし松に飛び込もうとした時、遥々長州から小五郎を慕って来た志乃に呼び止められ、小五郎の所在を尋ねられる。さりとは知らぬ和尚は“池田屋”と教える。池田屋を探し乍らの途中志乃は舞妓雛菊を連れた武市半平太を、小五郎と人違い。池田屋には小五郎は居ず番頭から教えられた古道具屋桝屋喜右衛門(実は勤王の士古高俊太郎)の家を訪ね当てた所、折柄踏込んだ新撰組のため俊太郎共々壬生の屯所へ。一方よし松では祇園の宵宮を期して決起すると意気込む小五郎、折から訪れた半平太から志乃の上京を知り驚き、更に現れた坂本竜馬から俊太郎、志乃逮捕を聞いて単身壬生の屯所へ斬込もうとはやるが、なだめられる。その時、新撰組の斬込み、三条河原を血と染めるが、三人は無事逃れる。壬生の屯所では俊太郎に対するあまりの激しい拷問に局長近藤勇の養子周平が父に楯をつく程。その夜勇の世話をする女、池田屋の女将お芳の妹で、勤皇方のスパイでもあるおちかが、秘かに志士の一人に渡した密書を手に入れた勇。明けて十六日、愈々大事決行と勤王過激派は池田屋へ。その中にお芳を訪れた幾松は、小五郎への義理から志乃救出を頼む。だがおちかに会ったお芳は、今は勇の人間性に引かれるおちかの心情を知る。一方よし松に集る半平太、小五郎、坂本竜馬。突如現われた新撰組。だが忽然と現れた拳骨和尚の機智で事態は円満、勇も小五郎に志乃を贈ると約束して別れたほど。竜馬と小五郎を送り出し、雛菊との遊びも飽きてうたたねしている半平太を狙う芸者君竜、その時、あわただしく飛びこむ小五郎。半平太はすがる雛菊を振りきり小五郎と過激派説得のため池田屋へ。そこへ半平太の行動を探りに来た沖田総司は雛菊の口から池田屋集合を知る。これを知った幾松は池田屋へ、だが果せず、思い余って拳骨和尚の元へ--。池田屋では過激派を説得する半平太、小五郎の努力も、また身の危険をも省りみず釣鐘を乱打し危急を知らす和尚の働きも虚しく、新撰組との死闘が続き、半平太は小五郎に未来を託し竜馬のもとへ逃し勇の刃に倒れる。勇の養子周平も死ぬ。累をなす屍。翌朝竜馬の居る大阪へ馬を走らす小五郎が追抜く人々の中には志乃の姿。二人は互いに知らず次第に遠ざかる。
武市半平太
桂小五郎
坂本竜馬
近藤勇
拳骨和尚
徳川慶喜
近藤周平
八田利兵衛
幾松
雛菊
君竜
志乃
おちか
お豊
お芳
桝屋喜右衛門
宮部鼎蔵
杉田重助
吉田稔麿
八坂の辰五郎
三条小鍛冶
大庭嘉八郎
土方歳三
沖田総司
永倉新八
藤堂平助
山崎丞
村田忠之進
松平容保
松平定敬
谷三十郎
侍大将
原田佐之助
油屋伊左衛門
伊八
町人
見廻組隊士
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