伏見扇太郎
孫悟空
中国の名作“西遊記”の映画化。「怒れ! 力道山」の棚田吾郎が脚本を執筆、「夕日と拳銃」の佐伯清が監督する。撮影は「緑眼童子 (二部作)」の藤井春美。主な出演者は「風雲黒潮丸 完結篇 南海の若武者」の伏見扇太郎、岸井明、「水戸黄門漫遊記 鳴門の妖鬼」の東宮秀樹、「惚れるな弥ン八」の大泉滉、「浅草三四郎」の星美智子、ほかに吉田義夫、永田靖、神田隆、和田道子、立松晃など。「孫悟空 第一篇」(1956年11月28日公開 61分)「孫悟空 第二部」(1956年12月5日公開 63分)。
第一部--昔々、大昔。中国は花果山の巨岩から、一匹の石猿がオドリ出た。七十二通りの変化の術に通じたこの石猿、自ら斉天大聖孫悟空と称し、伸縮自在の如意棒を手に、一飛び十八万八千里のキン斗雲にうち乗り、悪事の限りを尽す。これを見た天上界の上聖玉帝、悟空を不老長生の桃、蟠桃園の番人にしたが、神々の宴会蟠桃会の当日、賓客の御馳走を喰い荒す始末。とうとう釈迦如来の手に閉じこめられ、その手が化した石山五行山に幽閉。五百年後、悟空の救いを求める声を聞いた南海の観音菩薩、改悔の色ありと見て天竺へ経文を取りに行く東土大唐国は三蔵法師のお供を条件に罪を許す。程なく、三蔵の乗る白馬の轡を取って旅立つ悟空の姿。とある村に宿をとらんとしたが、化物がいるとのこと。名主高太公が娘婿にとった猪という男がその当人。悟空は得意の変化の術で、遂にこの豚の化物を取押える。元は天界の住人というが、観音様の命令で八戒と名も貰いお供の一人に加わる。旅を急ぐ途次、流沙河という砂の流れ。又もや河童の化物が出現し悟空と八戒に立向う。だが恵岸尊者の知らせで、この化物沙悟浄もお供に加わり、勢揃いした一行四人。腹も北山の頃、行手に人家の灯。食物を乞いに赴いた三蔵法師は、妖しげな七人の美女の囮となる。 第二部--必死に経文を唱える三蔵に魔性の蜘蛛の糸が次々とかかり、遂にはガンジガラメ。丸焼きにして食べると言い残し、女達はゆあみに出る。危急を悟った悟空は、地の神を呼出し、女共は年経た蜘蛛の精と知る。女達の着物を、鷹に化けて奪った悟空はその隙に三蔵を救出、帰って来た女怪と大立廻りの末、女怪四人を片附ける。ほっとする間もなく、宿を乞うた道士は女怪の兄百眼魔。悟空を除いた三人は毒酒で倒れるが観音様の助力で、悟空はこのムカデの精を倒す。だが逃れた女怪三人の知らせで三蔵を待伏せる蓮華洞の主、金角、銀角の兄弟。偵察に出た八戒に次いで三蔵や沙悟浄も敵の手に。銀角に締め殺された悟空は恵岸尊者の手で生き返り、怒髪天を衝いて蓮華洞へ。相手は一煽ぎで山もとばす芭蕉扇、人を呑むひょうたん、独りで人を縛る幌金縄をくり出して迫るが悟空は獅子奮迅、とうとう金角、銀角始め狐の化物を倒し、一同を救う。意気揚々と天竺目指す三蔵一行。果してその前には何が待ち受けることであろうか……。
孫悟空
猪八戒
沙悟浄
三蔵法師
上聖玉帝
上聖玉帝の皇后
観音菩薩
恵岸尊者
釈迦如来
二郎真君
太上老君
千里眼
順風耳
神将一
仙官一
仙官二
仙官三
酒造役
料理役
仙女一
仙女二
仙女三
仙女四
仙女五
仙女六
仙女七
村の若者
高太公
翠蘭
女怪(蜘蛛の精)一
女怪(蜘蛛の精)二
女怪(蜘蛛の精)三
女怪(蜘蛛の精)四
女怪(蜘蛛の精)五
女怪(蜘蛛の精)六
女怪(蜘蛛の精)七
黄花観の道士
童女
金角
銀角老人(実は銀角)
老女
土地の神
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