大川橋蔵
大草源次郎
川口松太郎の原作から、「二十九人の喧嘩状」の八尋不二が脚本を書き、「修羅時鳥」の萩原遼が監督、撮影は「若さま侍捕物帖 深夜の死美人」藤井春美が担当した。主な出演者は、「ふたり大名」の大川橋蔵、「源氏九郎颯爽記 濡れ髪二刀流」の片岡栄二郎、「さけぶ雷鳥 (三部作)」の大川恵子、「桂小五郎と近藤勇 竜虎の決戦」の大河内傳次郎。ほかに、霧島八千代、桜町弘子、阿部九洲男、月形哲之介、星十郎など。
将軍家台覧の試合に大草徹之助は、相手の戸田平吾を破り勝利の栄誉を得たが、更に美人の名高い三谷家の一人娘千種との将来も約束された。その上母が異る故に侘住居を続ける只一人の兄源次郎も屋敷に一緒に住むようになり、度重なる喜びに一家は湧き立った。しかし、一人暮しの勝手放題に慣れた源次郎にとって旗本の暮しは窮窟過ぎた。ある日、たまには息抜きにと、弟徹之助を誘って街に出た源次郎は、偶然出会った戸田平吾が、試合の恨みに根を持って、徹之助に狂刀を振るうのをかばうつもりが、逆に平吾を斬捨ててしまった。大草家に累を及ぼすのを恐れた源次郎は、跡目相続を徹之助に頼むと、そのまま姿を消した。その源次郎は、ふとしたことから、おきん、お梅の姉妹と知り合った。そして、二人の父、山谷の吉六が病気で、橋場の五郎に縄張りを奪われてしまったと聞き、義侠心を起してそれを取返してやった。源次郎の働きで、吉六一家は昔の隆盛を取戻した。お梅の胸に自然と思慕の念が生れ、それが源次郎の胸にも伝わった。こんな二人の姿を、子持ちのおきんは、所詮かなわぬ恋と悲しく諦めた。一方、大草家の家督を継いだ徹之助に、旗本最高の誉れである日光修理奉行の大役が任ぜられ、戸田一家の憎しみをあおった。時が流れ、今は侍の世界に帰る望みを捨てた源次郎は、双肌一杯に目も醒めるような、緋ぼたんの刺青をすると、生涯やくざで暮らす、とお梅に語った。そして、それを証明するかのように、日光修理奉行の大任を終えた徹之助を襲う戸田一家の刺客たちを斬り伏せると、深い霧の中をお梅と共に江戸の土地から離れて行くのだった。
大草源次郎
弟徹之助
父主膳
母さえ
若党喜平次
仲間藤助
吉六の姉娘おきん
吉六の妹娘お梅
三谷小十郎
娘千種
阿部豊後守
戸田平吾
弟平之進
父越前守
三枝新右ヱ門
押上の平助
千束の七兵衛
花川戸の仁三郎
伊太郎
山谷の吉六
吉六の子分伝六
橋場の長五郎
長五郎の子分金五郎
長五郎の子分一
長五郎の子分二
旗本一
旗本二
旗本三
老審判
若侍一
若侍二
若侍三
藩士甲
藩士乙
藩士丙
学塾師範
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