中江文男
潜水夫岡本
去る五月二十九日、静岡県安倍郡井川村に建設中の井川ダムで起った実話に基いて、「誘惑からの脱出」の島耕二と「妻こそわが命」の共同脚色者の一人、星川清司が共同で脚本を作成、島耕二が監督、「誘惑からの脱出」の高橋通夫が撮影したセミ・ドキュメンタリー作品。出演は浜口喜博、中江文男、星ひかるなど大映東京撮影所俳優部一四七名総出演のノン・スター・キャスト。この映画化にあたり静岡県警察本部、中部電力、間組などの現地機関の全面協力を得た。
静岡県安倍郡井川村井川神社祭礼の日。井川ダム工事現場では、数日来の降雨と赤石山系の雪解水とで大井川の水嵩が増し濁流はげしく、仮排水路水門漏水状況を確め修理するために潜水夫岡本が潜水、一時間を経過したが浮上らず、何か事故の発生を察知したが、その状況を知るすべがない。午後一時--潜水夫の責任者伊藤は、現場事務所に異状を報告、潜水夫救援手配を依頼。堰堤事務所より本部事務所に急報。本部事務所では祭礼見物中の関係者を急拠集合し、県下各地に応援依頼を指令、救援班を編成。各地の潜水夫は、休日或は就業中の為、連絡は困難を極め、焦燥感深まる。三時--静岡中央署では潜水夫の発見時、道もない山間部へ如何に急速に送り込むかの討議を行う。結論的には米軍又は自衛隊のヘリコプターを依頼する事に決定。米軍基地は救援要請を承諾する。現場では依然正確に排気泡が水面に浮んでいる。駿府公園でのヘリコプター誘導着陸の手筈は、気流悪く地理不案内のため米軍出発遅れる。水温その他の関係で事故者の体は三時間以上危険との情報が入り一同憂慮する。五時--ヘリコプターの遅延の為、中央署では潜水夫一組を静岡--千頭の陸上輸送を決定、悪路を覚悟でジープ出発。佐野組、千頭に到着。直ちに井川へ。九時半、工事関係者、村民の見守る内に佐野組の徹が潜水開始。同四十分--静岡からの平山組も到着。引上準備のため三回潜水、二十分後に引上げの合図がある。同四十一分二本の生命鋼が引かれ、潜水帽が二つポッカリとうかび、救出成功、全山は歓声にゆらぐ。
潜水夫岡本
妻しげ
子供せつ子
子供純
伊東
健
四郎
井川ダム建設所長田沢
井川ダム建設所技師長竹内
井川ダム建設所技師山田
井川ダム建設所事務課長古海
診療所医師中島
看護婦
事務所の男
労務者A
労務者B
見張所の男
千頭出張所長望月
大井川橋梁所長藤本
静岡連絡所長石川
静岡中央署長安藤
静岡中央署次席福田
静岡中央署警部
静岡中央署巡査A
静岡中央署巡査B
静岡中央署巡査笠原
女事務員
通訳
清水の巡査小田
井川村の駐在千田
新金谷駅営業部長近藤
新金谷駅技術部長大木
新金谷駅常務伊佐
中部電力鈴木
清水の潜水夫手山
清水の潜水夫川津
清水の潜水夫星
星の弟
焼津の潜水夫佐野
息子徹
近所のおかみさん
焼津港湾事務所の小使
井川の男A
井川の男B
井川の男C
井川の男D
婆さん
村の娘A
村の娘B
村の娘C
村の娘D
茶摘みの娘A
茶摘みの娘B
電話をかける娘
おかみさんA
おかみさんB
静岡の新聞記者A
静岡の新聞記者B
静岡の新聞記者C
静岡の新聞記者D
見合いの母
見合いの娘
車中の新聞記者A
車中の新聞記者B
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