雪村いづみ
寺沢新子(女学生)
「青い山脈(1957)」の後篇で、スタッフ、キャストとも草笛光子を除き前作に同じ。色彩はアグファカラー。
沼田先生の負傷がなおりかけた頃。偽のラブレター事件をめぐって、島崎先生が正しいか、生徒側が正しいかを決める海光女学校のPTA役員会が開かれた。学校の会議室には、校長をはじめPTA会長井口甚蔵、職員役員が集った。その中には梅太郎や、保護者代理になって入りこんだガンチャンの顔もみえた。国漢の岡本先生が問題のラブレターを読みあげた後、両者烈しい論議が展開された。井口の提案で役員による投票により、どちらが正しいかを決めることになった。結果は島崎先生側が八票、生徒側が六票で意外の結果に井口は狼狽した。ところがその時、ガンチャンの資格が問題になって、雪子は窮地に追いこまれた。しかし井口の弱味を握っている梅太郎の逆襲で、島崎先生の勝利は決定的になった。沼田と雪子は喜びに感激的な視線をかわすのだった。その頃、六助と新子は湖でボートに乗っていた。そこへ井口の子分たちがいたずらをしかけて来た。水泳のうまい新子は、六助を助けて相手を負かした。興奮した新子はおもわず「私は六助さんが好きだわッ」といった。岡本先生が宿直の晩、校長室に泥棒が入った。捕えてみると松山浅子だった。浅子は偽のラブレターの生んだ事件を苦にして、焼いてしまおうと思ったのだった。その翌日浅子は新子にすべてを詫びた。新子も雪子も優しく浅子を許してやった。カラリと晴れた日曜日、雪子と沼田、新子と六助、和子やガンチャンたちの一行は、自転車でハイキングに出かけた。丘の上で沼田は雪子に結婚を申込み、彼女も喜んで承諾した。六助は見晴台にかけのぼり、「新子が好きだ」と大声をはりあげた。白い雲、そして山々は青くかすんでいた。
寺沢新子(女学生)
金谷六助(浪人)
島崎先生(英語教師)
沼田玉雄(校医)
富永安吉(大学生)
笹井和子(女学生)
梅太郎(芸妓)
駒子(芸妓)
けい子(新子の母)
松山浅子(女学生)
野田アツ子(女学生)
田村静江(女学生)
小山文子(女学生)
南条スミ子(女学生)
武田校長
八代教頭
岡本(国漢教師)
田中(体操教師)
中尾(数学教師)
小野(国語教師)
白木(家事教師)
井口甚蔵(P・T・A会長)
松山浅右衛門(浅子の父)
宝屋のお内儀
柳屋の主人
長森老人
チョビひげの男
金谷弥吉(六助の父)
妻とく(六助の母)
妙子(六助の姉)
岡本まつ代(岡本の妻)
青年A
青年B
青年C
看護婦
栄屋の婆や
小使
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