荒くれ男どもが集まる開拓期の炭鉱町を舞台に、賭博場を経営する伊達男のギャンブラーと、売春宿の女将を中心に男対男の戦いを描く。製作はデビッド・フォスターとミッチェル・ブロウアー、監督は「バード・シット BIRD★SHIT」のロバート・アルトマン、エドモンド・ノートンの小説「マッケイブ」をアルトマンとブライアン・マッケイが脚色した。撮影は「さすらいのカウボーイ」のヴィルモス・ジグモンド。音楽はレオナード・コーエン、編集はルー・ロンバードが各々担当。出演は「俺たちに明日はない」のウォーレン・ベイティ、「遥か群集を離れて」のジュリー・クリスティ、他にルネ・オーベルジョノワ、ヒュー・ミレース、シェリー・デュヴァルなど。
ストーリー
時代は19世紀から20世紀に変わろうとしていた。ワシントン州とカナダの国境近くにプレスビテリアン・チャーチという町があった。この町の名物はミスター・エリオット(コリー・フィッシャー)が建てた71フィートの教会と、腹黒いアイルランド人パトリック・シーハン(ルネ・オーベルジョノワ)が経営するインチキ酒場だ。採掘量も最低の亜鉛鉱山と今にもぶっ倒れそうな掘ったて小屋が並ぶこの町は不景気で、あぶれ者、脱落者の吹きだまりだった。そんな町に、ある日ジョン・マッケイブ(ウォーレン・ベイティ)が流れてきた。マッケイブは三流のトランプ賭博師だが、ギャンブル好きの鉱夫たちを言葉たくみにシーハンの酒場に誘い込んでは金を巻き上げ、とうとうプレスビテリアン・チャーチに賭博場を建ててしまった。思いがけない商売仇の出現にシーハンが怒ったのは当然だが、マッケイブにとって何より力強い味方はこの町に製材所を作るためにやってきた親友のボブ・コイルだった。その頃、自ら売春婦と名のる男まさりのコンスタンス・ミラー(ジュリー・クリスティ)が馬車でこの町に到着し、早速マッケイブに、本格的な売春宿をこの町に作るための資金援助を頼み込んだ。やがて契約が成立し、コンスタンスが連れてきた若い女たちの登場で、売春宿はたちまち男どもの洪水となった。更に、ちゃっかり屋のコンスタンスは共同経営をよいことにマッケイブの手から会計の帳簿まで横取りして合理的に経営を押し進めたから、店はみるみるうちに立派になり、町全体も少しずつ活気が出てきた。やがてプレスビテリアン・チャーチが正式に認められ、そのお祝いの最中、シアーズ(マイケル・マーフィー)という男が現われた。ベアポウにある本社を代表して来た彼は、風呂屋や酒場、売春宿の経営権を6250ドルでマッケイブの手から本社が買いとろうとしていることを発表した。コンスタンスは一刻も早く売るべきだと主張し、マッケイブはあくまでこれらを守るといい張った。彼は生まれて初めて、1人の実業家としてのプライドを守るために闘おうとしていた。しかし、弁護士を雇って闘った彼の努力も空しく、敗れた。町全体を乗っ取ろうとする会社側は、殺し屋を送りマッケイブを殺そうとした。こうなれば彼も負けてはいられない。この争いのおかげですっかりさびれてしまった売春宿にバリケードを張り巡らし、身支度を整え、シーハンの酒場に向かった。こうして宣戦したマッケイブと殺し屋の死闘が開始されたのだ。マッケイブは自分の家に忍び込んできた3人を無視し、ミスター・エリオットの教会へ。夜になっても姿を現わさぬマッケイブに業を煮やし、拳銃を乱射しながら町中を走り廻る3人組、そして、エリオットに拳銃をつきつけられたマッケイブが対決した。だがさすがのマッケイブも、火をふく3つの銃口には勝つことができなかった。
キャスト
キーガン=マイケル・キー
ジェイク・ジョンソン
ジョー・ロー・トゥルリオ
ウォーレン・ベイティ
John_Mccabe
ジュリー・クリスティ
Constance_Miller
ルネ・オーベルジョノワ
Sheehan
ヒュー・ミレース
Butler
シェリー・デュヴァル
Ida_Coyle
マイケル・マーフィー
Sears
ジョン・シャック
Smalley
コリー・フィッシャー
Mr._Elliott
キース・キャラダイン
The_Cowboy
ウィリアム・ディヴェイン
The_Lawyer
スタッフ
監督
ジョー・スワンバーグ
監督、脚色
ロバート・アルトマン
原作
エドモンド・ノートン
製作
デイヴィッド・フォスター
製作
ミッチェル・ブロウアー
撮影
ヴィルモス・ジグモンド
音楽
レナード・コーエン
編集
ルー・ロンバード
脚色
ブライアン・マッケイ
字幕
高瀬鎮夫
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 原題
- Mccabe & Mrs. Miller
- 製作年
- 1971年
- 製作国
- アメリカ
- 配給
- ワーナー
- 初公開日
- 1972年4月8日
- 上映時間
- 122分
- 製作会社
- ロバート・アルトマン=デビッド・フォスター・プロ作品
[c]キネマ旬報社