月形龍之介
天野屋利兵衛
春日井梅鴬、天津羽衣、春野百合子、松平国十郎らの浪曲につれて繰りひろげる忠臣蔵。「風雲黒潮丸 完結篇 南海の若武者」の尾形十三雄の脚本により、「逢いたいなァあの人に」の伊賀山正光が監督、「雪姫七変化」の杉田正二が撮影した。主演は「ジェット機出動 第101航空基地」の月形龍之介、「竜虎捕物陣一番手柄 百万両秘面」の伏見扇太郎、尾上鯉之助、喜多川千鶴、「朝晴れ鷹」の大河内傳次郎、それに丘さとみ。
元禄十四年、千代田城松の廊下で、浅野内匠頭は上野介に刃傷に及び、切腹を申し渡され、お家は断絶となった。赤穂城明渡しの最後まで城に残った五十六名の同志に、大石内蔵助は復讐の連判状を示した。町人ながら天野屋利兵衛は家を捨てて主君に殉じようとした。内蔵助は彼には復讐の意図を隠そうとしたが、利兵衛は内蔵助の本心を読みとった。自害した矢頭長助の子、右衛門七も許婚を振り切り城へ駈けつけた。内蔵助は山科で連夜の大尽遊びを始めた。敵を欺く計画と信じて利兵衛はその金を調達した。しかし、たわむれに抜いた刀の赤錆びを見て、利兵衛は大石を責めた。武士の魂の刀が錆びては、大石の魂も?が、大石は彼に太夫の身請金の借用証として封書を手渡した。それを吉良の間謀半太夫が盗見ようとした時、大阪奉行河内守が扇子を投げてさまたげた。彼は大石の心を知り、大石一派に同情していた。半太夫は利兵衛の帰途を襲い、封書を奪おうとした。大石の命を受けた右衛門七と安兵衛が駈けつけ、彼を救った。封書には討入りの武器用具一式が記されていた。利兵衛は右衛門七と共に用具作りに取り掛った。が、注文先の職人の口から禁制の武具のことが奉行所に知れ、利兵衛は召捕られた。--日夜の拷問。我が子芳松が眼前で灼熱した鉄板の上を歩かされる。利兵衛はそれをわずかに耐えた。そして言った、「天野屋利兵衛は男でござる……」彼が顔をそむけ「芳松、死んでくれ!」と叫んだ時、たまりかねた妻のおそのが大石に頼まれたと訴えた。が、河内守はおそのを乱心者として退け、利兵衛一家を救った。--十二月十四日がきた。大石は瑶泉院を訪れたが、腰元の中に敵の間諜がいるのを見抜き、何も告げずに、一通の書状を残して立去った。書状によって討入りを知った瑶泉院、それに利兵衛らの祈りに包まれ、四十七士は降りしきる雪をついて吉良邸めざして、粛々と進んでいった。
天野屋利兵衛
矢頭右衛門七
浅野内匠頭
大石内蔵助
おその
芳松
おちよ
吉良上野介
片岡源五右衛門
瑶泉院
戸田の局
伝助
お文
仙庵
堀部安兵衛
大野九郎兵衛
矢頭長助
吉田忠左衛門
間重次郎
神崎与五郎
和久半太夫
藤原清国
武林唯七
松野河内守
八蔵
ジャンガラの弥十
権太
助七
腰元紅梅
お竹
そばや久兵衛
久吉
おかね
おすぎ
山城屋庄造
浪花屋善吉
松原宇平
岩井十太夫
岩太
富三
お町
梶川与惣兵衛
脇坂淡路守
伊達伊織
寺坂吉右衛門
堀部弥兵衛
大石主税
赤垣源蔵
浮橋
牢役人
牢役人
牢役人
天野屋の女中
監督
脚本
撮影
音楽
浪曲構成
美術
編集
照明
録音
企画
浪曲口演
浪曲口演
浪曲口演
浪曲口演
浪曲作詞
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