アラン・ラッド
Peter_Van_Hoek
「島の女」のアラン・ラッドと「ヴァイキング」のアーネスト・ボーグナインという主演者の顔合わせにより、「最后の接吻」「カウボーイ」のデルマー・デイヴズが監督した西部劇。主演者2人の性格を生かした、友情と復讐の物語である。リチャード・コリンズの脚色による、W・R・バーネットの原作小説の映画化で、撮影監督は「大荒原」のジョン・サイツ。共演するのは「空中ぶらんこ」のメキシコ映画出身カティ・フラドー、TV出身の新人クレア・ケリイの2女優をはじめ、ケント・スミス、ネーミア・パーソフ、バーバラ・バクスレイ、ロバート・エンハート、ジーナ・プロベンディ、アンソニー・カルーソ等。製作はアーロン・ローゼンバーグ。
1890年代の西部。昔働いていた金鉱の、鉱山主の奸計によって、西部で悪事を働く男たちの地獄といわれるユマ地方刑務所に服役中の“オランダ”ことピーター・ヴァン・ホーク(アラン・ラッド)は、同じ囚人で、止むにやまれぬ事情で人を殺したという、肥ったジョン・マックベイン(アーネスト・ボーグナイン)という男と知りあった。出獄後に復讐することを誓っているオランダは、他日を期して彼と友達になったのである。やがて2人の出所の日がきた。オランダは、単身アリゾナ州境の、仇敵のいる鉱山町に現れた。その町に、オランダを刑務所に送った金鉱があった。そこは、今は廃紘に近い存在だが、まだ相当量の金が埋められていることを、彼だけが知っていた。祭りを明日にひかえてあわただしい町のホテルで彼はアダ(クレア・ケリイ)という美しい女に会い、彼女に好意をもった。アダは、町のボス・シリルの情婦らしかった。そしてそのシリル一味こそが、彼が仇とねらう連中だった。かねての計画通り、オランダは、彼だけが知っている鉱山内に埋められている金塊をとり出す仕事を、町の酒場でシリルにもちかけた。案の定、憎い彼は金儲けときいてのってきた。その頃ジョンが町に姿を現した。彼はボス一味にいたずらされかかっていたアニタ(カティ・フラドー)というメキシコ美人を、くる道で助け、惹かれて彼女と結婚を誓った。そして、その金ほしさから、金鉱内に入って金塊を持ち出すオランダの仕事に加わった。鉱山で働いているメキシコ人に案内をさせて、オランダ、シリル、ジョンの3人は運べるだけの金塊をどうにか持ち出すことに成功した。しかし、独り占めを計ったシリルは、買収してある保安官を使って2人を逮捕させようとした。オランダはからくも脱出したが、ジョンは胸に傷をうけた。2人はアニタの家に逃れたが、すぐにその家もシリル一味に包囲された。しかしこの時、以前からシリルを憎んでいたメキシコ人たちが、アニタを先頭に一斉蜂起して、シリル一味を全滅させた。オランダは、馬車につみこんである金塊を、有益に使うことを考えた。ジョンとアニタの2人は、これによって住みよい土地を探し、新しい平和な生活を始めるために、町を出ていった。2人を見送ったオランダはホテルにもどった。そこには美しいアダが彼のかえりを待っていた。ピーターとアダ、ジョンとアニタの2組の男女は、こうして、新しい自分たちの人生を作りあげるために、それぞれに、町から消えていったのである。
Peter_Van_Hoek
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