三好栄子
福原ヨネ(初代社長の妻、会長)
「社長三代記」の後篇で、脚本笠原良三、監督松林宗恵、撮影小原譲二とスタッフはいずれも前作と同様。出演は森繁久彌、加東大介、小林桂樹、司葉子、雪村いづみら前作のメンバーに、淡路恵子、藤間紫、白石奈緒美が加わり他に徳川夢声が特別出演。
福富電機の二代目社長浅川啓太郎は、もっぱら女性問題に情熱を傾けたため、初代社長の未亡人ヨネ会長の命により、アメリカ支店長にさせられた。そして三代目は叩きあげの質実剛健型で営業部長の大場太平である。三代の社長秘書を務める長谷川は、苦心の社長就任式も同室の恋人明子さんが間に入って大失敗。続いて開かれた祝賀会では、大場社長が初代社長の女修業に感心して、裸踊りまでやる大転向ぶりを発揮する仕末。それからというものは、太平は関西に出張するたびに、バーのマダムお園と浮気をしたり、それを姉妹会社の事務で福富電機の社長の後釜を狙う奥村につけねらわれたりの大騒ぎ。そんな間にも、長谷川は久しぶりの休みを、明子さんとの逢びきを楽しんだ。ところが同じ場所で、太平の娘春枝と、新入社員松村が二人の恋をオヤジが許さないので、悩んでいることを知った。一方、太平社長は東京でも、年増芸者の〆駒などと派手な浮気振り--女探偵が障子の外からマイクで録音しているのも知らずに。数日後、太平の妻まつ子が血相かえて社長室にとびこんできた、--春枝が松村と家出したことを告げに。そこに録音テープをもって、ヨネ会長がやって来た。醜態の数々に太平は冷汗のかきどおし、そこにアメリカ帰りの二代目浅川が電話して来た。ロビーでうなだれて、事の次第を報告する太平に、すっかり愛妻家に変った浅川は、まつ子夫人と仲良やれと忠告するのだった。すっかり自分の生活を反省した太平は、浅川夫妻の仲人で、春枝と松村を結婚させてやった。秘書ノイローゼの長谷川も、やっと明子さんと式をあげることが出来て、--めでたし、めでたし。
福原ヨネ(初代社長の妻、会長)
福原トメ子(末娘)
浅川啓太郎(二代目社長)
浅川厚子(啓太郎の妻)
大場太平(三代目社長)
大場まつ子(太平の妻)
大場春枝(長女)
大場一平(長男)
大場三平(次男)
長谷川清(社長秘書)
長谷川ちよ(清の母)
中村明子(秘書課員)
松村俊夫(新入社員)
池田定吉(経理部長)
奥村(姉妹会社専務)
お園(バーのマダム)
〆駒(年増芸者)
梅千代(柳橋芸者)
うさぎ(英語の半玉)
松下ヤエ子(大場家の女中)
女探偵
スチュアデス
一杯飲み屋の女将
運転手(社長専用車)
徳川夢声
[c]キネマ旬報社