長谷川一夫
大石内蔵助
大映創立十八年を記念して作られた忠臣蔵。渡辺邦男、八尋不二、民門敏雄、松村正温と四人で共同執筆した脚本を「アンコール・ワット物語 美しき哀愁」の渡辺邦男が監督、渡辺孝が撮影をそれぞれ担当した。出演は内蔵助の長谷川一夫を筆頭に、鶴田浩二、菅原謙二、山本富士子、京マチ子、市川雷蔵、根上淳、淡島千景、三益愛子、川口浩等々のオールスター・キャスト。色彩は大映カラー。
元禄十四年三月、江戸城松の廊下で、浅野内匠頭は度重なる侮辱にたえかね、勅使接待役指南の吉良上野介へ刃傷に及んだ。幕府では上野介派の老中柳沢出羽守が目付役多門や老中士屋らの反対を押しきり、上野介は咎めなし、内匠頭は右京太夫邸で即日切腹という処分を裁決した。赤穂で、悲報を受けた内蔵助は、家中の意見を篭城から殉死へ導き、その後始めて仇討の意図を打ち明けた。内蔵助は順序として浅野家再興の嘆願書を脇坂淡路守に託したが、出羽守はこれも受けつけぬ。上野介の実子上杉綱憲は家老千坂に上野介の警戒にあたらせ、各方面に間者を放った。内蔵助は赤穂退去の後は京都山科に住んだが、再興嘆願の件で江戸へ下って、瑶泉院を訪れた帰途、吉良方の刺客に襲われた。それを救ったのは目付役多門だったが、彼は事件以来、赤穂浪士たちを陰に陽に庇護しつづけてきていた。堀部安兵衛は小人数でも早く仇討をと急進的だったが、内蔵助からさとされ、思い止る。半歳後、内蔵助は祇園の茶屋で毎夜遊びほうけた。太夫は浮橋、五月ら。浪人から犬侍と罵られたりする。茶屋の仲居は千坂の放った間者るいだった。家再興の望みが断たれると、彼は太夫を身請けし、山科へ帰り、主税のみを残して妻子を離別した。妻りくは仏壇の位牌から彼の本心を悟った--。るいは千坂から内蔵助を斬れとの命を受けたが、彼の澄んだ心にどうしても斬れなかった。他の間者が刺客を連れて襲ってきたが、主税らが追い払った。機は熟し、内蔵助らは江戸へ向った、--途中、近衛家用人の暖かい援助を受けたりした。千坂は上野介が旅に出るという噂を立たせ、それを襲うだろう赤穂浪士を一挙に倒そうとした。内蔵助はそれを看破し、逸る同志を抑えた。--赤穂の士は全員江戸に集り、決行の日は後十日に迫ったが、吉良屋敷の絵図面が必要になった。岡野金右衛門は大工の娘お鈴が恋人だった。が、彼女に絵図面の入手を頼むのは、真実の恋がその方便だと受け取られそうでいやだった。しかし、彼女は判ってくれ、絵図面は手に入った。るいは再び千坂の命で内蔵助の宿へ探りに行ったが、逆に彼らへ吉良家茶会の日取りを教えた。十二月十四日。その帰途、大高源五の身代りに清水一角に斬られたが、最後まで内蔵助の所在を明さなかった。決行当日、内蔵助は瑶泉院のもとを訪ね、ひそかに別れを告げたが、間者を恐れ決行のことを明らさまには言わなかった。彼女は彼を責めたが、彼が去って後、その歌日記で始めてことを知り、その成功を祈った。同じ頃、赤垣源蔵は兄と、勝田新左衛門は妻と、それぞれよそながらの苦しい別れを告げていた--。四十七士はそば屋の二階で勢揃いすると、降りしきる雪をついて本所吉良屋敷へ討ち入った。乱闘が続き、ついに炭小屋に隠れる上野介の首級をあげた。翌日、江戸中の市民が--お鈴など浪士ゆかりの人々が立ち並ぶ中を、四十七士は両国橋まで引き揚げてきた。その橋脇の駕篭の中で、白衣をつけた瑶泉院が合掌していた。
大石内蔵助
浅野内匠頭
岡野金右衛門
赤垣源蔵
大石主税
矢頭右衛門七
片岡源吾衛門
堀部安兵衛
勝田新左衛門
間十次郎
竹林唯七
前原伊助
小野寺十内
不破数右衛門
堀部弥兵衛
原惣右衛門
杉野十兵次
神崎与五郎
吉田忠左衛門
萱野三平
潮田又之丞
倉橋伝助
寺坂吉右衛門
早水藤左衛門
近松勘六
大高源吾
女間者おるい
大工の娘お鈴
瑶泉院
大石の妻りく
浮橋太夫
戸田の局
腰元紅梅
勝田の妻八重
浅野家腰元みどり
一力の遊女楓
一力の遊女五月
一力の遊女紅葉
一力の遊女玉葉
一力の遊女夕凪
一力の遊女薄雲
一力の遊女夕霧
一力の遊女千歳
一力の遊女小車
一力の遊女誰袖
一力の遊女村雨
一力の遊女薫
一力の遊女若水
舞妓小菊
舞妓ちょん丸
仲居お梅
仲居お八重
弥兵衛妻きわ
塩山の妻まき
塩山の下女お杉
大石の母おたか
多門伝八郎
伊達左京亮
牟岐平右衛門
梶川与惣兵衛
荘田下総守
清閑院中納言
柳原大納言
脇坂淡路守
柳沢出羽守
関根弥次郎
大竹重兵衛
町人金太
町人松造
町人源吉
大工政五郎
本陣主人清兵衛
番頭左兵衛
瓦版売り
吉良家門番
吉良家門番
吉良家付人
吉良家付人
吉良家付人
吉良家付人
塩山家門番幸平
折助甲
折助乙
安井彦右衛門
松原多仲
青木久之進
山田宗[彳扁]
塩山伊左衛門
垣見五郎兵衛
吉良上野介
千坂兵部
清水一角
小林平八郎
山岡平八郎
上杉綱憲
監督、脚本
脚本
脚本
脚本
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
照明
録音
企画
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邦楽