愛河
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愛河

1958年4月22日公開、91分
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富田常雄の平凡連載小説の映画化。「弥次喜多道中記」の笠原良三が脚色し、「母(1958)」の田中重雄が監督、「悲しみは女だけに」の中川芳久が撮影した。出演者は「忠臣蔵(1958)」の川口浩、若尾文子、川崎敬三、菅原謙二、「ふり袖纏」の角梨枝子、他に北原義郎、三宅邦子、柴田吾郎、穂高のり子など。色彩は大映カラー。

ストーリー

三三子はデパートのネクタイ売場に、新子は化粧品会社にそれぞれ勤務している。二人は高校時代からの親友だった。三三子の恋人保夫は今年大学を出て、日東物産に就職した。新子の恋人明はジャズ喫茶のマネージャー格として腕をふるっている。三三子に恋人がいることを知らない剛一は友人の香坂との縁談を持ちこんだ。皮肉にも香坂のいる日東物産の営業部長だった。三三子は断ったものの、偶然を装われて香坂に紹介され、食事をともにした。そこを保夫が見たから誤解が生じたのも当然の話である。泥酔のあげく行きつけのバーの女給優子に誘われるまま、保夫は女のアパートへ行った。そのアパートには新子が住んでいた。彼女は保夫の姿を見て、早速その事実を三三子に報告した。そして、保夫は香坂に対するわだかまりが原因となって、係長と衝突し、退社した。一方、新子は自分が妊娠していることに気づいた。しかし、今では歌手の暁美という新しい恋人のいる明は、もう新子を相手にしない。放心状態が自動車事故をひき起し、その結果は流産という形でやって来たが、新子は慕っていた剛一の愛情が彼女を立ちなおらせる契機となった。保夫は自動車工場に就職し、再出発を期していたが、神戸へ出張した夜、ふと入ったバーで今はそこのマダムになっている優子に再会した。その夜、保夫はまた優子のアパートに泊まった。翌日、偶然にも神戸へ出張販売に来ていた新子は、保夫を見つけて三三子に電話した。三三子は神戸へ急行した。しかし、アパートに保夫の姿はなかった。保夫は優子のパトロンと鉢合わせとなり、その子分たちの手で運び去られていた。三三子と新子は、アパートで二人の人相の悪い男たちの視線にあって、何か事件の発生を感じ、警察へ急報した。間もなく、保夫は救出された。が、彼はおのれを恥じて、三三子に会おうとしなかった。傷心の三三子は仕方なしに帰京することにした。保夫は熱海へ出張することになった。汽車の中、保夫は東京へ帰る三三子が乗っているのに気づいた。保夫は誘惑に負けたことを三三子にわび、二人はあらためて愛を誓いあった。

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作品データ

製作年
1958年
製作国
日本
初公開日
1958年4月22日
上映時間
91分
製作会社
大映東京


[c]キネマ旬報社