監督
「白い山脈」と同じスタッフが、インドへ半年余にわたってロケした、インド象の一族が登場する、長編動物劇映画。
ストーリー
インド半島の大密林地帯に棲息する野生象のいく群れ、--その一群の中の一組の夫婦象。二頭の間にはかわいい仔象がいる。父象は一群のリーダー格で、歴戦の勇士。片方の牙を失った巨象である。象たちは仔をつれて川へ水浴びに行き、それがすむと食事である。象の食糧は竹の葉、幹などである。竹林がたちまち食いつくされると、彼らは次の土地を求めて移動を開始する。密林の彷徨が幾日かつづくうち、象たちに発情期がおとずれた。一本牙と若い牡の間に、牝象をめぐる凄惨な闘いがくりひろげられ、一本牙は若い力に勝てず、ついに敗北してしまう。以後、一本牙はリーダーの地位から滑り落ち、一行のあとから力なくついて行くようになる。やがて新リーダーのひきいる一行が新しい緑林近くにやって来たとき、一本牙は先日の闘いがもとでついに倒れてしまった。お母さん象と仔象そして群の中の牝象たちの見守るなかで、一本牙は苦しみの末に死んだ。仔象は父の死を知ってか知らずか、動かなくなった一本牙の体へ無心に鼻をこすりつけている。--母仔象は先に行った一行のあとを追いつづけたが、母象の不注意から仔象は住民の仕掛けた「ピット」に落ちこんでしまった。その夜、集落では仔象に作業象の印しである“黄金の鈴”をつけてお祭りを行った。一行に追いついた母象は仔象を奪うため他の象たちと一緒に集落を襲い、仔象を探し出した。だが仔象の首にはすでに“黄金の鈴”がついている。母象は鈴の音に、仔をのこして去ってしまった。作業象になった彼を、もはや“汚れなき集団”に連れ帰ることは出来ないと考えたからに違いない。--仔象は母象を追って密林を走るうち、沼地にはまり込んだ。危機を脱しようと身をもがく仔象の首から、“黄金の鈴”をつけた赤い紐がプツリと切れた。そこへ仔の悲鳴を聞いてかけつけた母象が現われ、いまは呪縛から解かれた仔象を救い出し、母と仔はお互いの幸福を喜び合った。
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作品データ
- 原題
- The Long Nose
- 製作年
- 1958年
- 製作国
- 日本
- 配給
- 大映
- 初公開日
- 1958年5月14日
- 上映時間
- 68分
- 製作会社
- 生物映画研究所
[c]キネマ旬報社