松本克平
捜査第一課長
「乱撃の七番街」の長谷川公之の脚本を、「ふるさとの唄 お母さんの東京見物」の村山新治が監督、佐藤三郎が撮影した警視庁物語シリーズの一篇。出演は新人大村文武、小宮光江、高木二朗、浦里はるみ、小沢栄太郎、堀雄二など。
青白い額に漂う濡れた黒髪。ゾーッとするような女の扼殺死体が、マンホールから発見された。情事か? 物盗りか? 警視庁捜査陣は、ベテラン刑事を動員して直ちに捜査を開始した。被害者の身許は、マネキン人形製造会社の事務員。二十六才、子持ちの未亡人で会社の給料を銀行から受取りに行ったまま、行方不明になったもの。会社の同僚は被害者がオパールの指輪をしていたというが、銀行の事務員は金を引出しに来たときは、ヒスイの指輪をしていたという。捜査陣はこの食い違いが事件の鍵ではないかと考えた。この指輪と赤い風呂敷包みが死体から紛失していた。この方面の手配から、被害者は生前オパールとヒスイを交換しており、その差額の金が会社の経理課長黒木から出ており、二人は特別の関係があることがわかった。その他にも、被害者が銀行の前から男と慌てて自動車で走り去ったこと。黒木は女出入りが多く、現在は新橋のバアの女給弘子と関係のあることがわかった。弘子の証言によると、事件当時、黒木は彼女と一緒にいて、黒木の自動車の容疑も、犯行に使われたものではなかった。こうして、黒木の容疑は薄れていった。しかし、弘子の指には被害者のヒスイの指輪が冷く光っていた。その指輪は弘子がパトロンの松原からもらったもので、その他にも金の援助を受けていた。弘子を追求すると、彼女と黒木の交際から、マネキン会社の会計面の事情がわかり、それを松原に話したこと、松原と被害者のアパートが同じことがわかった。犯人は銀行帰りの被害者を、子供が怪我をしたと偽って自動車に乗せ兇行に及んだのだ。そして犯人は松原--確証を握った捜査陣は、松原の自動車の売却先、谷口の店を張込んだが、松原はその裏をかいて谷口に弘子に金を渡せと電話でいって来た。深夜の街、張込む刑事、金包みを持って立つ弘子、そこに現れた松原、おどりかかる刑事達。辛苦に満ちた数日を過した刑事達の顔は、疲れも忘れたように明るかった。
捜査第一課長
捜査主任
長田部長刑事
太田刑事
林刑事
金子刑事
高津刑事
渡辺刑事
法医技師
駐在所の巡査
立川弘子
松原
千田文枝(被害者)
黒木計理課長
女事務員
アパートの奥さん
銀行支店長
女子行員
食堂の女の子
食堂の女の子の同僚
おかみさん
ガソリンスタンド社員
公益質屋係員
喫茶ガール
貴金属商の女店員
貴金属商のマスター
バーのマダム
弘子の母
ブローカー谷口
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