長谷川一夫
日蓮
日蓮上人と蒙古襲来の物語を、歴史の事実から飛躍して自由に創作したスペクタクルもの。渡辺邦男と八尋不二の共同脚本を「おこんの初恋 花嫁七変化」の渡辺邦男か監督、「忠臣蔵(1958)」の渡辺孝が撮影した。「花の遊侠伝」の長谷川一夫を筆頭に、「炎上」の市川雷蔵、「花の遊侠伝」の勝新太郎、梅若正二・淡島千景・叶順子らのオールスターキャスト。
十幾年の求道の遍歴を終えた日蓮--蓮長は「吾れ今日より日本の柱とならん」と、故郷安房の土を踏み、清澄寺に集った人々の前で開宗第一声を放った。現在の仏法はすべて邪法だ、法華経以外に真の平和は得られぬと説く彼の言葉は、人々の期待を裏切り、追放される身となった。しかし彼の両親は改めて説かれ最初の法弟子となった。力を得た蓮長は名を日蓮と改め、救国救民の首途についた。鎌倉に庵を結んだ日蓮は、弟子日昭を得、連日、南無妙法蓮華経の旗を掲げ辻説法をつづけた。他宗信者の迫害もあったが、国を愛する彼の信念は強く、帰依者も増えた。日蓮は数々の予言を含め為政者の反省を求める立正安国論を幕府に提出した。が、日蓮を憎む幕府の重臣極楽寺重時らによって草庵を焼討ちされた。日蓮は新弟子日朗と難を避け身を隠したが、そのころ起った大地震で鎌倉が崩壊するや、隠れ家を出て難民救済に当ったため幕吏に発見され、伊豆へ流罪となった。しかし日蓮の救国に捧げる真摯な態度は若き執権補佐北条時宗に聞え、時宗は日蓮の流罪を解いた。かくて数年、日蓮の予言が事実となって現れ始めた。九州博多には世界を席捲した蒙古からの使者が到着した。時宗は蒙古の世界制覇の野望を見破り、使者を追放した。一方日蓮も蒙古船の訪れこそ国難の前兆と、各方面に警告の書状を発し時宗に面会を求めた。が、日蓮を敵視する時宗の母や執事頼綱のため国を乱す狂僧として捕えられ、竜の口で処刑されることになった。刑場へ行く途中、日蓮の祈りで雷鳴が起り、再び難を免れたが、今度は佐渡へ流刑となった。やがて、日蓮が警告しつづけた異国侵略は事実となり、文久十一年夏、蒙古十万の軍船が来寇、壱岐、対馬を血祭にあげるや直ちに博多湾に迫った。時宗は鎌倉武士の出陣を命ずるとともに偉大なる予言者日蓮を、丁重に鎌倉へ迎えた。時宗は日蓮を伴い博多へ出陣した。が、数をたのむ蒙古軍は意外に強く、箱崎、博多が焼き払われた。日蓮は博多の一角で敵国降伏を祈りつづけた。すでに三割の軍勢を失った日本軍は遂に翌日の決戦を迎えることになった。ところが、その夜、突如として起った暴風雨は、蒙古の軍船を木の葉の如く奔弄、全艦隊を博多湾海底深く葬り去った。夜を徹して祈りつづけた日蓮の前には日輪が厳かに昇りつつあった。
日蓮
北条時宗
四条金吾
日朗
比企小次郎
日昭
吉野(白拍子)
萩江
平景信(代官)
河野通有
浄観(道善の弟子)
比企大学(侍読学士)
四条兵衛
東条景信(安房の地頭)
八郎左衛門(伊豆の地頭)
町人
道慧(通訳)
村人
浄顕(道善の弟子)
竹崎季長
老武士
良寛
蒙古の使者
北条実政(九州探題)
少弐資能(筑前の守護)
梅菊(日蓮の母)
新潟の女
白拍子
長屋の女
尼御前の侍女
逃げてくる女
弥三郎の女房
尼御前
平左衛門尉頼綱(幕府執事)
依智の三郎(頼綱の家人)
重忠(日蓮の父)
極楽寺入道重時
日朗の少年時代
宿谷入道則光(問注所奉行)
弥三郎
道善(清澄寺住職)
監督、脚本
脚本
製作
撮影
音楽
邦楽
美術
編集
照明
録音
企画
企画
振り付け
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