高島忠夫
高石カメラマン
「新日本珍道中 (西日本の巻)」の続篇で、近江俊郎・杉本彰・松井稔の共同脚本を、「坊ぼん罷り通る」の近江俊郎が監督した、東北・北海道の道中もの。撮影も「坊ぼん罷り通る」の杉本正二郎。高島忠夫・宇津井健・久保菜穂子などが総出演。
新東洋映画の社長室。社長と独立プロデューサー月野が用談しているところヘアメリカのハラワント映画日本支社長スミスがやって来た。スミスは「新日本珍道中 (西日本の巻)」を賞め、つづいて「東日本の巻」を製作するよう持ちかけ、復活祭までに出来上れば言い値で買おうと申出た。この話を聞いた月野は、出て行くスミスを追いかけ、映画の製作を自分にやらせてくれと頼んだ。スミスは、新東洋が期限に間に合わねば買ってもよいと返事。これに力を得た月野は大新映に金を出させ一足先にスタッフを編成して北海道へ飛んだ。一方、新東洋も由比監督、坊野助監督、高石カメラマンのスタッフで北海道は大阿寒国立公園から撮影を始めた。ここで月野は一行に見つかるが彼は文化映画を撮っているのだとごまかす。美幌峠、網走などを経て札幌、函館と新東洋の一隊は珍談を続出しながらくるが、月野は函館でプリンスの中に居眠りする助手の坊野から撮影ずみのフィルムを盗ませる。が盗んだ男は間違ってこれを高石カメラマンに届けてしまう。やがて本隊も月野も津軽湾を渡り青森を経て仙台の七夕祭を撮影、松島から会津磐梯山、筑波山から一路、志賀高原へと向うが、途中、月野は車ごとフィルム罐を奪ってしまった。本隊は仕方なく牛車に揺られ善光寺に着く。善光寺から湯田中へ。湯田中で、月野はまた由比監督らに睡眠薬入りのウィスキーを飲ませようとするが誤ってこれを自分が飲み、車を奪い返されてしまう。しかし月野はフィルム罐を持っているのだからと驚かない。が、月野の持っているフィルム罐は、彼が何をするか分らないという本隊の配慮で本物とすりかえられてあった。こうして甲州街道を本隊も、月野も東京へと戻ってきた。月野はフィルム罐を早速、大新映に届けたが、中にはフィルムの代りに「骨折り損のくたびれもうけ」と録音したテープが入っていた。一方、そのころ新東洋では、スミスと社長が喜びの握手を交していた。
高石カメラマン
由比監督
坊野助監督
月野和助
井口カメラマン
星田助監督
月野の愛人玲子
アイヌの娘ピリカ
男優
女優
社長秘書
旅館の若奥様
連絡船の女
長野の美人
網走の美人
甲府の美人
アイヌの酋長
仙台の異国人スリ
大新映社長
[c]キネマ旬報社